第79回社会保障審議会医療保険部会 出席のご報告

会長メッセージ 審議会

医療保険部会20140724

 平成26年7月24日、全国都市会館にて「第79回社会保障審議会医療保険部会」が開催され、当会からは委員として武久洋三会長が出席いたしました。

 前回までの議論を一巡と位置づけ、今回はこれまでの議論の総まとめが行われました。厚労省側からこれまでの意見をまとめた資料が堤出され、内容としては「国保の財政問題」、「協会けんぽの国庫補助」、「医療費の適正化」、「高齢医者医療の費用負担の在り方」、「後期高齢者支援金の全面総報酬割」、「前期財政調整」、「高齢者の保険料特例軽減措置」、「給付の効率化(予防・健康管理・データヘルス・後発医薬品の使用促進・現金給付の見直し)」、「審査支払機関について」「療養の範囲の適正化、負担の公平の確保」「その他(出産一時金について)」の計11項目について、意見の整理や表記内容の調整、要望の陳述などが行われました。
 
武久洋三会長平成26年7月24日 武久会長は、「医療費の適正化」項目内の食事療養費・生活療養費の話題について触れ「現在、入院患者の入院費の未払いが増えている。在宅医療との公平性の観点から、入院時の食事療養費や生活療養費を上げていくという方針は、急性期の場合は最長でも2週間程度でそれほど大きな負担とはならないが、長期入院の場合は患者にとって大きな負担増となる。また医療保険だけでなく介護保険においても来年度から年収280万以上の人の本人負担は2割となり、やはり長期入院患者にとって負担が増大するという問題がある。また、各施設、医療機関の種類、病床機能の種類ごとに、公平性をどう担保していくかという問題についても医療と介護の連携の問題であるので、検討を要望したい」と述べられました。 
 この発言を受け、他の委員からも「長期入院患者の費用負担が、子供世代の家計を圧迫し若い世代の大学進学などを危うくしており、介護貧乏・医療費貧乏というような状況がある」といった意見が述べられました。
 
 また、武久会長は、審査支払機関の査定について「診療報酬の計算方法が、全体的に出来高払いから包括払いに移行しつつある中で、国民健康保険も支払基金も出来高払いの所に対してしか査定ができず、出来高払いの所だけが集中して査定を受けるという偏った状況になっている。ほとんどの医療機関が包括払いに移行したときの査定機関の存在価値なども含んだ問題であるので、こういった点の整合性についても考えたい。我々は医療者として適正な医療を行っているが、一方で、多少疑義を抱く医療機関も存在するため、双方に納得感のある査定方法についても検討していただければと思う」と意見を述べられました。
 
 今回の議論で一巡目の議論を終了とし、秋以降に二巡目の議論が開始される予定です。
 

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