第77回社会保障審議会医療保険部会 出席のご報告

会長メッセージ 審議会

第77回社会保障審議会医療保険部会 出席のご報告

 平成26年6月23日、「第77回社会保障審議会医療保険部会」が開催され、当会からは委員として武久洋三会長が出席いたしました。

 今回の主な議題は「給付の効率化」、「審査支払い機関について」、「経済財政運営と改革の基本方針2014(素案)」の3点です。
 
 まず、医療保険制度内の「特定健診制度」「ジェネリック医薬品」「現金給付」などといった種々の項目につき効率化のための取り組みや問題点が示されました。
 
 特定健診とは、保険者が40~74歳の加入者に対して毎年行う健康診査で、いわゆるメタボリックシンドロームに着目した検査項目の盛り込まれた健診です。平成18年度から導入されたこの健診制度につき、医療費の抑制・適正化効果についての調査の中間報告が行われました。
 
 武久会長はこの特定健診について触れ、「平成17年の小泉郵政選挙で自民党が大勝し編成された経済財政諮問会議が、厚労省に混合診療を認めるよう求めたのに対し、当時の厚労省はこれに反対し、医療費の適正化を見込んだ施策として平均在院日数の短縮と特定健診を行うことを決めたという経緯がある。
 その後、一般病床の平均在院日数の短縮が図られたものの、一般病床の長期入院患者に関しては平均在院日数の算定から除外するという特定除外制度のために多くの慢性期患者が一般病床に入院し続けることとなり医療費の適正化という観点から見た効果の程は芳しくなかったが、今回の改定でやっとそれが払拭された。
 特定健診制度についても導入後8年が経過しているが、医療機関での実施のパーセンテージが未だ少なく、医療費の適正化にどれほど効果があったのか十分に明示化されていない。特定健診制度の医療費の削減効果をもっと明示化していくべきではないか」と意見を述べられました。
 
 また、ジェネリック医薬品の使用促進のための取り組みの紹介や、傷病手当金・出産一時金などの現金給付につき不正受給の問題があることなどが示されました。
 
 保険料の審査支払機関については、医療費の増嵩に対して適切な保険診療を行うため、現在検討会を設置しての議論が進められています。今回の部会では、先日行われた「規制改革に関する第2次答申」で発案された「保険者がまず全ての診療報酬明細書の点検を可能とする仕組みの導入」について議論が行われ、委員からは、審査の公平の確保の観点からは賛成できない、保険者による全ての明細書の審査は現実的ではない、といった意見が述べられました。
 
 また、「経済財政運営と改革の基本方針2014(素案)」「日本再興戦略の改定について(素案)」の提出と規制改革会議の答申についての報告と委員からの意見陳述が行われ、今回の部会は終了となりました。
 
 次回の開催は7月7日に予定されています。
 

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