日看協「第2回病院看護管理者懇談会」出席のご報告

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第2回病院看護管理者懇談会(2月28日)

 2月28日(火)、日本看護協会が主催する平成23年度第2回病院看護管理者懇談会が開催されました。病院看護管理者懇談会は、病院における看護の政策的課題をめぐり看護管理者団体、看護団体、病院団体看護部門等と日本看護協会が意見交換、情報共有を行うことを目的として開催されています。

 参加団体は日本私立医科大学院協会看護部長会、全日本病院協会、日本病院会、日本看護職副院長連絡協議会など19団体で、日本慢性期医療協会からは、看護管理者委員会から、服部紀美子委員長(定山渓病院看護部長・副院長)と山崎郁子委員(豊中平成病院看護部長)が出席致しました。

 はじめに「看護師特定能力認証制度」「平成24年診療報酬改定」「看護師の夜勤・交代勤務に関するガイドライン」の3点について報告が行われ、その後の意見交換会で各団体の意見が交わされました。

 「看護師特定能力認証制度」(案)とは、看護師の臨床実践能力のうち、医学的な部分を強化した看護師について、厚生労働大臣が能力を認証する制度です。認証には、一定の追加的教育を受けることが必要とされ、認証を受けた看護師は、医師の指示の下「特定行為(高度な知識・判断が必要な一定の医行為)」を実施することができるようになるというものです。

 「特定行為」については、現状で看護師が処置を実施している施設もあることから、認証を受けていない場合の措置として、医師の「具体的指示」と安全管理体制を求めることで「特定行為」の処置の実施を可能にすることが考えられています。現在看護師による処置が行われている医行為には、腹腔穿刺や非感染創の縫合など侵襲性の高いものも上げられ、「グレーゾーンを明確にする必要がある」「黒は黒でしっかりと規制を行うべき」「処置にあたる看護師は保証されるべき」などの意見が交換されました。

 「看護師特定能力認証制度」については、「医行為を実施するならばきちんとした教育を受けさせるべきだが、教育を受けさせたからといって処置を強要すべきではない」「ある行為に対応する際、認証と認証で無い者の2つのルートがあり、さらにそれぞれに教育課程などの差があっては、現場に混乱を招きかねない」といった意見が挙げられました。

 「看護職の夜勤・交代勤務に関するガイドライン」(案)には「拘束時間は13時間以内とする」「3交代制勤務は月8回以内を基本とし、それ以外の勤務は労働時間等に応じた回数とする」「夜勤の途中で1時間以上、日勤時は労働時間の長さと労働負荷に応じて適切な時間数を確保する」などの11項目が盛り込まれています。

 当会の服部紀美子委員長は「地方や中小病院の会員病院からは、2交代制でないと難しく、72時間夜勤体制が苦しいという声がよく聞こえる。ガイドラインにはおおむね賛成だが、ガイドラインに強制力が発揮されることを恐れている。あくまでもガイドラインはガイドラインととらえてよいか」と意見を述べられました。また、全日本病院協会から懇談会に出席した安芸佐香江氏(永生病院 看護部長)は、「ガイドライン導入は管理者として検討する必要があるが、現在は導入不可能な状況の病院が多い。現在の状況でガイドラインがいつの間にかルール化されることを危惧している。地域の二次救急を支えている中小病院がどうすれば看護師の労働環境を守れるか考えてほしい」と発言されました。

 ガイドラインについてはこのほかに、「時間外労働やサービス残業は決して当り前ではないことを強調してほしい」「新卒者の志望動機に3交代より2交代がいいという声があることも無視できない」「外科系の病院では労働時間の長い2交代制は危険である」などの意見が寄せられました。

 24年度診療報酬改定について、日本看護協会 坂本すが会長は、「部分的には良かった点が複数あるが、現場が変革についていけるか、看護師が巻き込まれないか、危惧するところが多い。意見を交換してしっかり考えていきたい」としました。

 意見交換会の後には懇親会が開かれ、和やかな雰囲気の中、第2回病院看護管理者懇談会は閉会されました。
 

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