第66回社会保障審議会医療保険部会 出席のご報告

会長メッセージ 審議会

第66回社会保障審議会医療保険部会 出席のご報告

 平成25年8月9日、「第66回社会保障審議会医療保険部会」が開催され、当会からは委員として武久洋三会長が出席いたしました。

 主な議題としては、前回から引き継いで行われている次期診療報酬改定についての議論、社会保障制度改革国民会議についての報告が行われました。

 次期診療報酬改定については、中間整理として、医療部会と医療保険部会で述べられた各委員の発言要旨と、両部会における議論を整理した「次期診療報酬改定における社会保障・税一体化改革関連の基本的な考え方について(案)」とされた文案が提出され、基本認識の統一が行われました。今回の部会では、主にこの文案の記載内容についての修正意見や質問などが中心となりました。
 
 武久会長は、文案中の「長期療養患者については、適切な環境で療養を行うことが重要である」という項目について「この文案中にも、社会保障国民会議の議論のまとめにも取り上げられていないポイントがある」として意見を述べられました。「一般病床には、残念ながら古い基準である4.3平米/床の10人部屋で急性期病院として指定されたままの病院もあり、障害者、特殊疾患患者といった長期療養が必要な患者が、急性期と同額の診療報酬で、そういった環境の悪い場所に入院しているという実態がある。長期療養を必要とする患者には療養病床としての環境は必須である。その視点が議論に欠けている」と指摘されました。
 
 「医療機能に着目した診療報酬上の評価を行う観点から、回復期リハビリテーション病棟との機能の違いを踏まえつつ、例えば、急性期病床からの患者の受け入れ、在宅・生活復帰支援、在宅患者の急変時の受け入れなど、亜急性期病床における患者像や機能を明確化し、亜急性期病床・回復期病床の機能に応じた評価について検討を行う必要がある」という項目の削除を求める意見に対しても、武久会長は「今現在も救急患者がなかなか受け入れられず、たらい回しにされているというような現状があり、2025年に向けて救急患者は更に増えていく。その中で、ERに軽症患者が運び込まれるというのは大きな問題。慢性期の急変患者については地域の中で分担し受け入れていかないと救急体制に対して悪影響であり、亜急性期の必要性についての項目はこのような前提のもとに記載されているものと考えている」と発言されました。
 
 また、社会保障制度改革国民会議の議論をまとめた報告書が提出され、それについての議論および、複数団体から意見書の提出が行われました。大筋としては、持続可能な社会保障制度の実現のための精力的、真摯な議論を評価しつつも、健保組合の財政状況への認識不足や、増大する高齢者医療への費用負担問題、持続可能性などについて議論が尽くされていない、といった意見が各団体から述べられました。
 
 次回の開催は、9月9日に予定されています。

 

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