後発品使用の調査、「供給不安との関係も」── 中医協総会で池端副会長

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2024年6月12日の総会

 令和6年度診療報酬改定に関する調査の実施案について議論した厚生労働省の会合で、日本慢性期医療協会の池端幸彦副会長は後発品の供給不安を指摘した上で「促進策との関連がわかるような調査項目も検討していただきたい」と提案した。

 厚労省は6月12日、中央社会保険医療協議会(中医協、会長=小塩隆士・一橋大学経済研究所教授)総会の第590回会合を開催し、当会から池端副会長が診療側委員として出席した。

 厚労省は同日の部会と総会に「令和6年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査の実施(案)」を提示。令和6・7年度の2か年で実施する7項目の内容やスケジュールなどについて了承を得た。
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01_調査項目

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在宅医療等は「地域的にかなり差がある」

 総会に先立ち開かれた「診療報酬改定結果検証部会」では、(2)(4)について発言があった。

 まず、(2)について永瀬伸子部会長(お茶の水女子大学基幹研究院人間科学系教授)は「地域的にかなり実施状況にも差があるのではないか」と指摘した上で、具体的な調査方法を尋ねた。

 厚労省の担当者は「調査検討委員会で議論していただく。地域差について、どういった観点で調査が可能なのかという点も含めて、ご審議いただきたい」との考えを示した。
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長期収載品に関する検証をどうするか

 (4)については、飯塚敏晃委員(東京大学大学院経済学研究科教授)が10月から始まる長期収載品の選定療養化との関連を指摘。「長期収載品に関する調査などを別途行うのか、または今回の後発品関連の調査に含めるのか」と尋ねた。

 厚労省の担当者は「一般名処方や銘柄名処方の状況など、後発品の使用状況などについては、ご指摘いただいたように密接に関わりがある」とした上で、「総会で長期収載品の選定療養についての検証・検討を行う際に、検証部会の調査の中身を参考にしつつ具体的な検証を行っていくことになるだろう」と答えた。

 こうした意見などを踏まえ、厚労省は続く総会に同調査案を提示。支払側委員は「特に異論はない」と了承した。診療側からも反対意見は出なかった。
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スケジュールなど「柔軟に対応すべき」

 総会の質疑で、長島公之委員(日本医師会常任理事)は「日程や検討スケジュールなど、柔軟に対応すべき」と求めた。

 長島委員は「今改定が従来よりも広範囲であるため、答申書の附帯意見が前回、前々回の20項目と比べ、28項目と大幅に増えている」と指摘。その上で、改定時期の後ろ倒しに触れ、「検証を行うための時間が従来よりも短くなるため、調査・検証は効率よく行う必要がある」と述べた。
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02_特別調査の実施案

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 池端副会長は、後発品の使用促進策について発言。調査目的に「医薬品の供給状況等の環境の変化」が挙げられていることを指摘し、「促進策との関連がわかるような調査項目をご検討いただきたい」と述べた。

【池端幸彦副会長の発言要旨】
 私も特別調査の実施案について異存はないが、1点だけ意見させていただきたいのは、8ページの「後発医薬品の使用促進策の影響及び実施状況調査」について。調査の題名はこのようになっているが、いまだに後発品の供給が不安定な状況が続いている。
 この目的の中には、「医薬品の供給状況等の環境の変化も加味し」とある。後発品の供給状況がどう移っているのか、改善しているのか、していないのか。ここと促進策との関連が非常に重要だと思うので、これが少しわかるような調査項目を検討していただきたい。

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