フレンドリーな職場づくりに感銘を受けた ── 外国人材の検討会で富家常任理事

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 外国人介護人材の訪問介護について事業所からヒアリングを実施した厚生労働省の会合で、日本慢性期医療協会の富家隆樹常任理事は「外国人人材に対してもフレンドリーな職場づくりを進めており、非常に感銘を受けた」と述べ、外国人人材へのサポート体制や環境整備の取り組みに期待を込めた。

 厚労省は2月15日、外国人介護人材の業務の在り方に関する検討会(座長=臼井正樹・神奈川県立保健福祉大名誉教授)の第5回会合を開き、当会から富家常任理事が構成員として出席した。

 この日の主なテーマは、訪問系サービスに従事する外国人介護人材受入事業所等からのヒアリング。外国人人材の受け入れに至った経緯や実績、利用者からの評価、今後の課題や留意点などについて3事業所の代表者らが報告し、構成員の質問に答えた。

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日本人と同様のサポートが大切

 前回1月22日の第4回会合で厚労省は「訪問系サービスなどへの従事について」と題する資料を提示。その中で、EPA介護福祉士候補者・技能実習・特定技能について「介護職が1対1で介護サービスを提供するという業務内容の特性を踏まえ、認めていない」とし、「今回は3つバツが付いているところについて、ご議論いただきたい」と意見を求めた。
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 そして今回、厚労省は参考資料として「第4回検討会の主な意見」を提示。その中で、富家常任理事の意見は次のように紹介されている。

 「初任者研修受講等の色々な配慮が必要だが、なるべくハードル下げて、キャリアステップを前提に進めてほしいと思う。日本人以上ではなく日本人と同等で、ケアの質の向上や負担軽減の観点から、自動翻訳・スマートグラスなどのDXを盛り込んでいくべき」

 このほか、前回会合での主な意見として「一定の要件を整備すれば、ある程度訪問介護の解禁はありうるのではないか」、「日本人の新入社員と同様にサポートが受けられ、キャリアアップできることが大切ではないか」などを挙げている。「初任者研修修了までの支援について、収集・分析が必要」との意見もあった。

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指名が入るほど歓迎されている

 前回会合での意見を踏まえ、今回はヒアリングを実施。①訪問介護ハッピー、②青山ケアサポート、③ぷっくる株式会社──の代表者が現状や課題などを報告した。

 このうち、①を運営する株式会社光明の篠田和博代表取締役は3人のEPA介護福祉士を紹介。コミュニケーションアプリ「TUNAG」などを活用した円滑なコミュニケーションや情報共有、日本人と同様の充実したサポート体制、キャリアアップに向けた取り組みなどを伝えた。

 同事業所で訪問介護などに従事しているEPA介護福祉士は、John氏、Dea氏、Harvey氏の3人。このうち、John氏について篠田氏は、「入職当初は一般の介護士だったが、メキメキと頭角をあらわし、現在はサービス提供責任者を務めている。担当者会議にも出席し、モニタリングやアセスメントもしっかりしている」と高く評価した。訪問介護に従事しているDea氏、Harvey氏については「利用者から指名が入るほど歓迎されている」と伝えた。

 発表を受け、富家常任理事は「フレンドリーな職場づくりに感銘を受けた」と評価。就労期間やアプリの活用などについて質問した。

【富家隆樹常任理事の発言要旨】
 大変わかりやすく、丁寧なご発表に感謝を申し上げる。外国人人材に対してもフレンドリーな職場づくりを進めており、非常に感銘を受けた。
 まず就労状況について、お伺いしたい。エースのJohnさんは何年目だろうか。また、訪問介護に従事されているDeaさん、Harveyさんは主任者研修をしっかり受けられた後の就労なのだろうか。
 当院には70人ぐらいの外国人スタッフがいるが、ご紹介のあったコミュニケーションアプリがすごく良さそうだと思った。このアプリは、バイリンガル、マルチリンガルに対応しているのだろうか。

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【篠田和博参考人(株式会社光明・代表取締役)】
 エースのJohnさんは約4年間、私どもの会社に勤務している。Deaさん、Harveyさんも同じぐらい。数カ月違いの入職である。最初にお会いした時には初任者ではなく既に介護福祉士を持っており、4年ほど別の府県で介護の仕事に従事されていた。お会いした際は、日本でそれまで多くの経験を積まれており、日本語レベルも非常に高かった印象である。
 現在、利用している「TUNAG」というアプリはバイリンガルではなく日本語で、変換機能はない。彼らは日本語で入力して、日本語でコミュニケーションが取れている。

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