外国人材の介護業務、「DXの活用も議論を」 ── 訪問系への見直しで富家常任理事

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20240122_外国人材検討会

 EPA介護福祉士候補者など外国人介護人材の業務範囲の見直しについて議論した厚生労働省の会合で、日本慢性期医療協会の富家隆樹常任理事は「なるべくハードルを下げて、外国人人材のキャリアアップを進めるべき」とした上で、「自動翻訳やスマートグラスなどDXの活用を盛り込んだ議論もしていただきたい」と提案した。

 厚労省は1月22日、外国人介護人材の業務の在り方に関する検討会(座長=臼井正樹・神奈川県立保健福祉大名誉教授)の第4回会合を開き、当会から富家常任理事が構成員として出席した。

 厚労省は同日の会合に「訪問系サービスなどへの従事について」と題する資料を提示。その中で、EPA介護福祉士候補者・技能実習・特定技能について「介護職が1対1で介護サービスを提供するという業務内容の特性を踏まえ、認めていない」とし、「今回は3つバツが付いているところについて、ご議論いただきたい」と説明した。
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外国人人材の訪問介護を前向きに進めて

 資料説明の中で厚労省の担当者は、外国人介護人材を訪問系サービスで受け入れる上で必要な要件などについてアンケート調査の結果を紹介。「事業所内のバックアップ体制を整えておくことや、外国人介護職員が利用者と問題なく意思疎通を行うだけの会話力を有するなどの回答が多い」と伝えた。

 また、訪問系サービスにおける適切な実務経験年数や日本語能力などのアンケート結果や現在の取組状況などを紹介。その上で、訪問系サービスの従事を認めるための課題などを「検討の方向性」として示した。
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 構成員の多くは一定の条件で緩和する方向性に賛同したが、日本語やコミュニケーション能力などを懸念する声もあった。富家常任理事は「日本人と同等の研修や体制で外国人人材の訪問介護の従事を前向きに進めていただきたい」とし、DXの活用なども検討する必要性を示した。

【富家隆樹常任理事の発言要旨】
 構成員の方々から、いろいろなご意見があった。外国人人材の訪問介護の従事については、もちろん初任者研修などのいろいろな配慮や条件が必要だと思うが、なるべくハードルを下げて、外国人人材のキャリアアップを無理なく、広く人材の確保を望める体制を進めていただきたいと思う。その際、日本人以上に厳しい研修や体制にするなど、ハードルを上げていくのではなくて、日本人と同等の研修や体制で、外国人人材の訪問介護への従事を前向きに進めていただきたい。多くの意見が出ている日本語やケアの質の向上、仕事のサポートについては、例えば自動翻訳、スマートグラスなどDXの活用も盛り込んだ議論もしていただきたい。

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