看護補助者、「多職種連携で重要性」── 中医協公聴会で池端副会長

協会の活動等 審議会 役員メッセージ

2024年1月19日の総会

 令和6年度改定に関する意見を聴く「公聴会」で、看護補助者の処遇改善に向けた診療報酬上の対応を求める意見があった。日本慢性期医療協会の池端幸彦副会長は「多職種連携の中で直接的に患者のケアを担う看護補助者の重要性などをお話しいただき、大変参考になった」と謝意を示した。

 厚労省は1月19日、中央社会保険医療協議会(中医協、会長=小塩隆士・一橋大学経済研究所教授)総会の第580回会合を開催し、当会から池端副会長が診療側委員として出席した。

 公聴会の意見発表者は10人。広島市内の病院で副院長・看護部長を務める浜崎忍氏は高齢患者の円滑な入院受け入れ、早期退院に向けた多職種や看護補助者との連携、協働の重要性などを述べた。

 池端副会長は看護補助者の人材不足への対応などを質問。浜崎氏は「看護補助者のやりがいにつながるよう、教育活動等を通じて取り組んでいきたい」と答えた。

【池端幸彦副会長】
 発表者の皆さまから大変、示唆に富んだご発表をいただき、感謝を申し上げる。その中で、最後にご発表された看護部長の浜崎様に質問したい。回復期を担う病院の看護部長というお立場で、「看護職員配置基準は13対1だが、ほぼ10対1の看護職員を配置し、夜間も看護職員4人体制でケアにあたっている」とのご説明があった。そして、多職種連携の中で、直接的に患者のケアを担う看護補助者との連携の重要性について、お話しいただいた。その教育、研修も非常に重要ということで、大変、参考になるご意見に感謝したい。
 その中で、お伺いしたいのは人材に関して。全国的にもそうだと思うが、特に直接ケアを担う看護補助者の人材不足が指摘されている。浜崎様の病院の状況、あるいは周囲の病院などで、人材不足に対する課題などがあれば、教えていただきたい。
 また、外来における専門性の高い特定看護師の有用性も述べられた。訪問看護事業所等は小規模な所が多いため、特定看護師の研修を受ける期間が非常に長くなると、特定看護師を取ることが難しいと聞く。現場のご意見があれば、お聞かせいただきたい。

.
【浜崎忍氏(医療法人社団八千代会メリィホスピタル副院長・看護部長)】
 私が勤務している広島県においても、やはり看護補助者の採用は非常に厳しい現状がある。その背景の1つには、先ほど意見でも述べさせていただいたように、やはり賃金の低さがある。近くに新しいスーパーなどができると、そちらのほうに人材が流れていってしまうなど、看護補助者の求人になかなか集まらない現状がある。しかし、看護補助者は非常にやりがいのある仕事。不安を軽減しながらも直接的ケアができる。それが自身のやりがいにもつながるような取組を教育活動等を通じながら行っていきたいと考えている。
 次に、特定行為の看護師の研修についてのご質問にお答えする。現在、当法人には7名の特定行為研修を修了した看護師がいる。その中で、訪問看護ステーションに異動したり、在宅でのケアを一緒に同行訪問したりというかたちで、質の高いケアにつながっているという実感は持っている。研修期間が非常に長いということもあり、職場を空ける状況もあるが、今はオンライン研修で共通部分の研修を受けることができる。現場の協力もある。そして、戻ってきたときには、役割を大いに発揮できていることを現場が実感しているので、引き続き特定行為の研修に参加する看護師を育てていきたいと考えている。

この記事を印刷する この記事を印刷する
.


« »