第572回中医協総会等 出席のご報告

協会の活動等 審議会

2023年12月13日の総会

 厚生労働省は12月13日、中央社会保険医療協議会(中医協、会長=小塩隆士・一橋大学経済研究所教授)の薬価専門部会と費用対効果評価専門部会の合同部会、総会などを開催し、当会から池端幸彦副会長が診療側委員として出席した。

 この日の中医協は、算定薬価が注目されていた認知症の新薬「レケンビ(一般名=レカネマブ)を中心に審議。レケンビの費用対効果評価案、薬価算定案、市場拡大再算定の取扱い、最適使用推進ガイドライン案、留意事項案などを審議し、全て了承された。

 この日の総会では、レケンビ関連の審議のほか、12月11日に策定された「令和6年度診療報酬改定の基本方針」が示された後、次期改定に対する中医協の意見書が小塩隆士会長から厚労省大臣官房審議官・須田俊孝氏に手渡された。

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認知症施策全体の中で考える

 レケンビについて総会に示された算定薬価案は、200mg2mL1瓶4万5,777円、500mg5mL1瓶11万4,443円。報道された「年298万円」は資料に記載されておらず、レケンビの市場規模を説明する中で厚労省の担当者が口頭で伝えた。

 厚労省保険局医療課の安川孝志薬剤管理官は「本剤は体重による投与量の違いはあるが、薬価における計算としては、1回あたり500mg製剤を1バイアル使用するとして、この薬は2週間に1回の投与で年間26回になるので、1人当たりの薬剤費は年間およそ298万円と推計される」と説明した。

 その上で、安川薬剤管理官は「認知症に係る医療・介護等の提供体制の参考資料」を提示。6月に公布された「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」を挙げたほか、認知症疾患医療センターを中心とした相談体制、治療薬に関する医療従事者向けの研修、厚労省のホームページでの情報提供などを紹介した。
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認知症に係る医療・介護等の提供体制の推進

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 質疑で、支払側の松本真人委員(健康保険組合連合会理事)は「認知症施策全体の中でレケンビのような新しい治療法をどのように位置づけるかということも今後の重要な課題だ」と述べた。

 閉会後の記者ブリーフィングでは、複数の全国紙記者から「初回投与できる医療機関は全国にどのぐらいあるか」との質問が相次いだ。安川薬剤管理官は現時点では把握していない」とした上で、「各都道府県単位、あるいは地域単位での認知症政策の中で、薬をどう使っていくかという中で考えていくべき課題ではないか」と述べた。

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