「慢性期医療の介護のスタッフを守る」 ── 処遇改善で田中常任理事

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田中志子委員(日本慢性期医療協会常任理事)2023年1月16日の介護給付費分科会

 令和6年度介護報酬改定に向けて半年ぶりに開かれた厚生労働省の会合で、日本慢性期医療協会の田中志子常任理事は介護職員の処遇改善について「慢性期医療の介護のスタッフを守る」「病院における介護も非常に重要」と指摘し、今後の検討を求めた。

 厚労省は1月16日、社会保障審議会(社保審)介護給付費分科会(分科会長=田中滋・埼玉県立大学理事長)の第213回会合をオンライン形式で開催し、当会から田中常任理事が委員として出席した。

 この日の主なテーマは、①令和3年度改定の効果などを調べる令和5年度調査、②処遇改善加算等の申請様式の簡素化、③訪問看護ステーションの人員基準、④令和6年度同時改定に向けた意見交換会──の4項目。

 田中常任理事はこのうち①と②について意見を述べた。田中常任理事の発言要旨は以下のとおり。

■ 個室ユニット型施設に関する調査について
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 従来型からの移行期に建てている施設がある。数は少ないと思うが、従来型と明確に分けられず同居するようなかたちで多床室と個室があるユニット型施設について、柔軟な職員の配置や活用状況に関する効果などについては、今回の設問では課題が書きにくいように思う。 
 例えば、工事を行ってまで多床室を個室に変える状況ではなくても、なじみの関係の中でできる限り、ユニット的な活動ができている施設に対しての質問にもなるよう、自由記載等の項目を設けていただけるとありがたい。

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■ LIFEの活用状況の把握等の調査について
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 LIFEに関する調査については老健事業でいくつも調査が行われていると思う。そうした同様の調査と重複するようなことのないよう、調査をできる限りまとめていただいて現場の負担を減らしていただければと思う。
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■ 処遇改善加算等の申請様式の簡素化等について
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 簡素化について心より歓迎する。その上で、ぜひ議事録に残していただきたいお願いがある。私ども慢性期医療の介護のスタッフを守るという立場から毎回お願いをしているが、病院における介護も非常に重要になっている。介護給付費分科会で話す内容ではないことは承知の上だが、今、医療と介護が密接に一体化している状況では、医療と介護で働く介護職を守るような平場をつくっていただきたく、要望があることを切にお願いしたい。
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【田中滋分科会長】
 医療現場における介護職の処遇についても十分に、それを忘れてはならないという大変重要なご指摘であった。

                          (取材・執筆=新井裕充) 

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