社会保障審議会・介護給付費分科会(第112回)出席のご報告

審議会 役員メッセージ

第112回介護給付費部分科会

 平成26年10月29日(水)、「第112回社会保障審議会介護給付費分科会」が開催されました。今回は武久洋三会長に代わり、代理参考人として池端幸彦副会長がご出席されました。まずは厚生労働省の事務局から、本日の議題「介護福祉施設サービスの報酬・基準について(案)」、「特定施設入居者生活介護等の報酬・基準について(案)」について説明がありました。
 
 一つ目の議題の論点の一つとして、事務局は、在宅・入所相互利用加算の算定要件の見直しを提案し、ケアマネジャーによる在宅期間・入所期間の調整のもと、複数の利用者が特養の空室や空床を共通して利用していく「ベッドシェアリング」を促していきたいと述べました。さらに、特養そして介護療養病床と老健についても、多床室における居住費負担の見直しについても提案しました。二つ目の議題の中で、特定施設入居者生活介護の空き部屋をショートステイとして有効に活用するため、現行の要件を引き下げる等の取組が提案されました。
 
 さらにどちらの議題においても看取り介護加算の見直しが提案され、「死亡日以前4日以上30日以下における手厚い看取り介護の実施に対し、単位数を引き上げる」といった対応案が出されました。

 田中滋分科会長(慶應大学名誉教授)が意見を募ると、看取り介護加算が十分に算定できるようにしてほしいといった意見が複数あげられました。多床室の居住費見直しについては、やむを得ないという声と反対の立場をとる声、両方の意見が上がっていました。
 
池端幸彦副会長 池端幸彦副会長は、介護老人福祉施設で看取り対応を行っていても最後の最後で利用者が病院に搬送されてしまうというケースはどうしても出てきてしまうと述べた上で、息を引き取った場所が病院であったというだけで看取り加算が算定できなくなってしまうということではなく、「ときどき入院、ほぼ在宅」とあるように、単に亡くなる瞬間の場所での評価ではない看取りも考えてほしいと発言されました。さらに、今後看取りを前提とした利用者の入院受け入れを担っていく医療機関としては、地域包括ケア病棟や在宅復帰機能加算型の医療療養病床等や、在宅療養支援(病院)診療所、介護療養病床等が中心となっていくべきではないかと述べました。
 
 また池端副会長は、資料1の、特別養護老人ホームの職員に係る専従要件の緩和について扱った論点2について、医療分野と介護分野では「専従」「専任」の定義が異なっているため混乱を招くのではと懸念し、意味の統一を提案されました。ベッドシェアリングについては、在宅と施設それぞれのケマネジャーが利用者の状態やリハビリテーションの必要性等について連携をとっていかなければ、かえってADLの低下を招き利用者を施設に誘導しかねないとし、各々のケアマネジャーの連携やそのためのツールの作成等サポート体制が肝要であると意見を述べられました。
 
 次回の開催は、11月6日(木)です。

 ○第112回社会保障審議会介護給付費分科会の資料は、厚生労働省のホームページに掲載されています。
 ⇒ http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000063271.html
 

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