「慢性期医療の取り組みを示したい」 ── 令和5年新年会で橋本会長

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 日本慢性期医療協会の橋本康子会長は1月12日、新会長に就任して初となる「令和5年新年会」であいさつし、来年度のトリプル改定に向け、「私たち慢性期医療がどのような取り組みをしているかを目に見えるかたちで示すことを今年の目標にしたい」と抱負を語った。

 当会の役員らが参加する新年会の開催はコロナ前の2020(令和2)年以来、3年ぶり。橋本会長は、新年会に先立ち開かれた記者会見の内容を報告した上で、データ収集に向けた調査への協力などを呼び掛け、今後の提言につなげる考えを示した。

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【橋本康子会長の挨拶要旨】
 先ほどの記者会見で多くの質問をいただいた。役員の先生方に本日の常任理事会でご説明した医療区分の問題点を中心にお話しした。医療区分については、記者の関心も高いようだ。
 コロナの影響に関する質問もあった。慢性期の病院や介護施設での対応状況について、お尋ねがあった。死亡者数が最多を更新している。病院や施設でクラスターが起きてしまうと高齢患者さんが重症化したり亡くなられたりするリスクが高まるのでヒヤヒヤしている。
 今、医療や介護、福祉の関係者はとても疲弊している。クラスターが出ると経営的に大きなダメージがあるので危機感が高まっている。会見では、そのような現状もお伝えした。
 また、補助金でコロナ特需という声も一部にあるようだが、私たち慢性期医療はたとえ補助金をいただいても、それでは全く追いついていないこともご理解いただいた。
 そのほか、来年は診療報酬・介護報酬・障害報酬のトリプル改定があるので、それに向けた目標について質問があった。
 武久洋三先生が以前から言われているように、診療報酬があるから取り組むのではなく、良質な慢性期医療を提供した結果として制度があとからついてくる。私たち慢性期医療がどのような取り組みをしているかを目に見えるかたちで示すことを今年の目標にしたいと思う。アンケート調査への協力などを求めることも多いと思うが、よろしくお願いしたい。

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「鳶目兎耳」をモットーに

 乾杯の音頭をとった地域病病連携推進機構の上西紀夫会長は「多くの疾患を抱える高齢者に対応するためには、急性期病院はいろいろな機能を持った『多機能病院』との連携が必要」とし、同機構の活動をさらに進めていく考えを示した。

 その上で、上西会長は「うさぎ年ということで、鳶目兎耳(えんもくとじ)という四字熟語をご紹介したい」と切り出し、地域連携に向けた情報収集の必要性を指摘。「トビ(鳶)は高い所に止まって世の中を見渡せる目を持ち、うさぎ(兎)の耳は小さな音もよく聞こえる。今年は鳶目兎耳をモットーにやっていきたい。いろいろな情報を集めて取り組んでいく」と語った。

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                           (取材・執筆=新井裕充) 

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