社会保障審議会・介護給付費分科会(第118回)出席のご報告

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社会保障審議会・介護給付費分科会(第118回)出席のご報告

 平成27年1月9日(金)、「第118回社会保障審議会介護給付費分科会」が開催され、武久洋三会長に代わり、清水紘副会長が参考人として出席いたしました。
 はじめに事務局から、今回の議題である「平成27年度介護報酬改定に向けて(運営基準等に関する事項について、審議報告のとりまとめに向けて)」について、資料の説明がありました。前回も審議された二つの資料「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準等の改正の主な内容について」「平成27年度介護報酬改定に関する審議報告(案)」の修正案が提示されました。
 
 資料の説明ののち、田中滋分科会長(慶応大学名誉教授)が委員の発言を募りました。各委員からは多くの意見や要望が出されましたが、「介護職員処遇改善加算の拡大」についてはとりわけ多くの発言がありました。介護職員の人材確保、および勤務状況の改善に取り組むにあたり、「加算だけで職員を集めようというのは無理がある」「介護報酬で処遇改善加算をカバーするのは限界が来ているのではないか」「次改定では処遇改善加算を基金という形で対応してはどうか」といった意見が複数あがっていました。田部井康夫委員(認知症の人と家族の会理事)は、「このように人材が足りないと分かっていながら、介護報酬を引き下げるのは理解できない。私は介護報酬の利用者の立場としてこの場にいるが、介護に従事する職員のモチベーションが下がるような報酬設定では、たとえ患者家族の負担が軽くなったとしても喜ぶことはできない」と意見を述べられました。

清水紘副会長 清水紘副会長は、田部井委員のご意見に賛同され、さらに「処遇改善加算では看護師が対象に入っていないため、本加算を算定する介護療養病床は少ない。次の改定では、すでに提案されているような基金の創設とともに、看護師も算定対象となるよう考慮してほしい」と述べました。
 続けて、第113回介護給付費分科会で提示された「療養機能強化型介護療養型医療施設(仮称)」の5つの要件について、「頑張っている介護療養型医療施設を評価していただいたことに感謝する」としたうえで「現場職員は要件の具体的な内容を知りたがっているので、早めに提示してほしい」との要望を述べられました。また「口腔・栄養管理に係る取組の充実」と関連して、「医科歯科連携は重要であるとされながらも、具体的な取組みの提示がまだ薄いように思われる。歯科医師だけでなく歯科衛生士との連携についても考慮してほしい」と要望されました。最後に、介護事業経営実態調査について「信憑性が低いのではないかとの意見を耳にする。平均を出すだけではなく、次回からは経営の実態を反映させた調査を行ってほしい」と話し、締めくくられました。

 分科会後半では、指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準等の一部改正についての諮問書がとりまとめられました。本諮問書は、社会保障審議会西村周三会長宛に提出される予定です。
 
 ○第118回社会保障審議会介護給付費分科会の資料は、厚生労働省のホームページに掲載されています。
 ⇒ http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000070801.html
 

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