「給付と負担」の議論で見解 ── 介護保険部会で橋本会長

会長メッセージ 協会の活動等 審議会

2022年11月28日の介護保険部会

 「給付と負担」をテーマに議論した厚生労働省の会合で、日本慢性期医療協会の橋本康子副会長は「多床室の室料負担」と「軽度者への生活援助サービス等に関する給付の在り方」について意見を述べた。

 厚労省は11月28日、社会保障審議会(社保審)介護保険部会(部会長=菊池馨実・早稲田大学法学学術院教授)の第103回会合をオンライン形式で開催し、当会から橋本会長が委員として出席した。

 今回の主なテーマは「給付と負担」で、10月31日の第100回会合に続く議論。厚労省の担当者は「前回10月31日に本部会で議論いただいた資料をベースに7つの論点を挙げている」と資料を説明した上で、委員の意見を聴いた。

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01スライド目次_【資料2】給付と負担について_2022年11月28日の介護保険部会

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 「多床室の室料負担」については、「介護老人保健施設及び介護医療院の多床室の室料負担について(中略)各施設の利用者の入所目的や在所日数、退所先等の実態等を踏まえ、検討を行うこととしてはどうか」との論点を挙げた。

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02スライド_P13_【資料2】給付と負担について_2022年11月28日の介護保険部会

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 「軽度者への生活援助サービス等に関する給付の在り方」については、「認知症の者も多い要介護1・2の者について、その要介護状態に応じて必要となるサービスの質や内容(中略)等の幅広い観点から、どのように考えるか」との論点を挙げた。

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03スライド_P19_【資料2】給付と負担について_2022年11月28日の介護保険部会

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 質疑で、橋本会長は「介護がなければ生活できない人が多い。室料が払えないことによって介護が受けられない状況が起こるのは、例えばお金がないから医療が受けられないと同じことだ」と述べた。

■ 多床室の室料負担について
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 老人保健施設は生活の場ではない。リハビリして在宅に復帰する施設である。いろいろなタイプに分かれたとはいえ生活の場ではない。介護医療院については、医療と看護を提供する場であると認識している。生活の場だから多床室の室料を負担していただくのはおかしいと思う。
 高齢者にとっての介護は、若い人たちにとっての医療と同じぐらいに必要。介護がなければ生きていけない、生活できない人が多い。室料が払えないことによって介護が受けられない状況が起きるのは、例えばお金がないから医療が受けられないということと同じことだと思う。 
 高齢者の介護をしていると、高齢者にとっての介護は、医療と等しいと思われることがあるので、介護保険の根本的な考え方からいうとおかしいのではないかと思う。
 私は地方で病院や施設を運営しているが、高齢になって部屋代を払って家に住むという感覚はほとんどない。皆さん、自分のお家を持っておられる。介護を受けなければ生活していけない独居や高齢夫婦の方が、自宅では生活できないので仕方なく施設に入ったときに、部屋代を払わなければいけないとなると、その感覚は違うのではないか。都会の人たちはアパートなどで部屋代がかかると思うが、地方の人は50年も60年も自分の家に住んでいて部屋代は払っていないので、その感覚はない。室料が払えないから介護を受けられないという状況にならないような介護保険にしていただきたい。

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■ 軽度者への生活援助サービスについて
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 認知症の高齢者が多いので、総合事業の検証も必要である。総合事業における専門的な教育も必要であり、要介護1・2から3・4に悪化しないようなケアが大事ではないか。専門的な知識が絶対に必要であると申し上げておきたい。

                          (取材・執筆=新井裕充) 

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