日病協「第116回代表者会議」 出席のご報告
平成26年6月27日(金)、日本病院団体協議会(日病協)の「第116回代表者会議」が開催されました。会議には11病院団体から計18名が出席し、当会からは武久洋三会長と中川翼副会長が出席いたしました。
会議では、6月25日までに開催された中医協や第106回診療報酬実務者会議、日病協における調査の実施方法などについて、報告・検討が行われました。
中医協第279回総会の報告では、入院医療等の調査・評価分科会に関して、平成26年度診療報酬改定について行われる調査について、項目や調査のスケジュールの説明がなされました。この調査は、平成26年度診療報酬改定に係る答申書附帯意見において、他の項目とあわせて調査・検証・検討されることが、4月23日に開催された中医協第276回総会において了承されています。
「療養病棟、障害者病棟、特殊疾患病棟等における長期入院も含めた慢性期入院医療のあり方について」の調査では、主に患者像や在宅復帰機能強化加算などの算定状況、患者の受入先・退院先などが調査内容となる予定です。中医協において、「重度な病態の患者の受け皿として、介護療養型医療施設との連携についても調査してほしい」と要望があり、「介護療養型医療施設は平成30年に廃止が決まっているので、役割分担を考えて調査に当たりたい」と返答があったことが報告されました。
社会保障審議会医療保険部会については、武久会長から報告がなされました。
特定健診・保健指導の医療費適正化効果等の検証のためのワーキンググループの中間取りまとめに対しては、平均在院日数は短くなり、全ての性・年齢階級別において特定健診・保健指導により腹囲やBMIなどが改善されたが、本来の目的である医療費の適正化については取りまとめられていなかったことが報告されました。
後発医薬品の使用促進についての報告では、我が国の後発医薬品シェア率は約40%であり、諸外国と比較すると低いことが示されました。
武久会長は、「20年ほど前、ジェネリック薬がまだ『ゾロ薬』と呼ばれていた頃は、現在の10分の1ぐらいの価格だった。近年のジェネリック薬は当時と比べると50%ほど価格が上昇している。ジェネリック薬とゾロ薬の品質に差がなければ、どうして価格は上昇したのか」と社保審医療保険部会で質問したところ、回答がなかったと報告されました。武久会長は薬価について、「厚生労働省がスタンダードを示さなければ、利用が増えないのではないか」と、意見を述べられました。
第106回診療報酬実務者会議の報告は、猪口雄二氏(診療報酬実務者会議委員長)より行われました。
日病協における調査の実施については、四病協において消費税に関する調査のパイロットスタディが調整されており、その結果を受けて日病協でも実施することが確認されました。武久会長は消費税の問題について、「病院の改修など、大規模な工事をすればするほど、税負担が大きくなる。今後、100億円の改修費に税金10億円が掛かるようになる。これを診療報酬で取り戻すのは現実的ではない。日慢協としても調査に協力をしたいが、実施前に質問項目は見せてほしい」と発言されました。
経済産業省・次世代ヘルスケア産業協会議についても、武久会長から報告されました。
経済産業省では、医療・介護費の増大を抑制するために、病気にならない・改善させる(悪化しない)・再発しないという切り口で、公的保険外の予防・健康管理関連の製品・サービスを提供する「健康寿命延伸産業」の創出・推進が行われています。この産業では、健康状態を保つサービスや介護が必要のない状態を維持するためのサービス、生活習慣の改善に資するサービス等が期待されています。
しかし、健康寿命延伸産業は性質上、医療分野に関係・近接する事業であるため、医師法や医療法などの関係法令の適用の有無が不明確なケースが存在します。これらは「グレーゾーン」と呼ばれています。予防のための運動・栄養指導や入院患者以外への病院食の提供などはニーズの高いサービスですが、「グレーゾーン」が、事業者のサービス提供を躊躇させる原因となっています。
武久会長は協会議全体の印象を交えつつ、「グレーゾーンにおいて提供可能なサービス事業の範囲は、おおむね明確となってきた」と、報告をされました。
2014年6月28日