日本病院団体協議会 第106回代表者会議 出席のご報告
平成25年9月6日(金)に、日本病院団体協議会第106回代表者会議が開催されました。当会からは武久洋三会長(代表者会議議長)、清水紘副会長、松谷之義副会長の3名が出席いたしました。
会議では、西澤寛俊先生(全日本病院協会会長)の後任となる次期中医協委員候補者の選出について検討が行われました。
はじめに、次期中医協委員に推薦された候補者の中で、前回(8月23日)の代表者会議を欠席された小山信彌先生(東邦大学医学部特任教授)ついて、日本私立医科大学協会から推薦の弁と、小山先生から自己紹介がありました。
次に、前回(8月23日)の代表者会議において了承されたことの確認が行われました。
①四病協で候補者を絞ってくれるよう検討してください。
②辞退する候補者は事務局に申し出てください。
③日病協としては、今回は複数併記という手段はとりません。
④日病協としての矜持を問われますので、できるだけ日病協として候補者を一人に絞りたいので、ご協力をお願いします。
このうち①については、四病協にとっていわゆる「逆シード」のようなもので、日病協には四病協としてではなく四病協を構成する4つの団体がそれぞれ加盟していることや、前回会議の中では四病協に加盟する団体が推薦した候補者から選考されるものと勘違いしていた等の理由から、受け入れることはできないと四病協からの返答がありました。
中医協委員の推薦者の選考方法について、武久先生から下記のように確認提案がされました。
①推薦委員の任期は、1期2年である。
②任期を継続することは可能である。
③最大2期までとしてはどうか。
④公的、私的と急性期・慢性期とのバランスを考えるが、必ずしも必須事項とはしないこと。
⑤候補者として立つからには、少なくとも数年中医協を傍聴していることや日病協の実務者委員会委員などを経験していることが望ましい。
⑥既候補者は、次期委員推薦者として優位に考慮すること。
⑦今回は多く立候補しているので、例え今回推薦されなくとも、次期委員となるため、研鑚を積まれたい。
⑧従って、日病協としては、2年に1回、中医協に2名の委員を推薦することとする。
⑨現在、中医協委員を務めていても1期終了時には、新ためて、推薦を受ける必要があること。
⑩中医協委員となれば、出身団体の利害にとらわれず、日病協の意向に基づいて、発言されたいこと。その活動の状況は、日病協により評価されることを確認されたい。
⑪同一団体から継続して立候補することは原則として推薦しないことが望ましい。
この確認提案については、「今回の推薦から考慮する必要があるのか、考慮するならば、どれだけ重きが置かれるのか」、「制限を設けるなら推薦を募る前に開示すべき」のような反対意見も出ましたが、「これらの提案が反映されるのは次回からとしても、書かれている考え方は今回の候補者選考にも反映されるべき」、「今回の委員推薦については間に合わないが、ワーキンググループを組織して検討する必要がある」と、肯定的な意見も見られました。
武久先生はこの話題のまとめとして、「確認提案についてはあくまで提案であり、次回からの候補者の推薦の際に考慮されたらどうか、ということである」と発言されました。
また、中医協委員の推薦方法に関して、四病協会長会議において検討が行われたことが報告されました。早期に候補者を決定することで推薦に係るストレスを低減させることができ、引き継ぎの道筋もできる、と説明がありました。日病協からの中医協委員の推薦方法に関しては、今後改めて議論が行われます。
日病協からの中医協委員候補について、武久先生は5名の候補についてそれぞれの優れている点を挙げた上で、「若い候補者にはまだチャンスがあり、全般的なバランスを考えると、日本精神科病院協会の長瀬先生が適任であると考える。できれば議長・副議長採決とさせてほしい」と切り出しました。
「日病協のあり方検討ワーキンググループで機関決定の方法は決まっている。議長採決はこれに則していない」など、議長・副議長採決に反発する意見も出ましたが、武久先生は「そうであれば期限が差し迫っているにも関わらずいつまでも平行する議論にどう収拾をつけるのか。どうあっても意見一致しない場合には、他にどう決める方法があるのか」と話されました。
次回改定で重要な論点となる7:1入院基本料について武久先生は、「精神科にも7:1を算定する病院はある。日本の医療を考えていくうえで7:1の問題が重要となることも理解しているが、候補者の氏名を複数併記して、他者に病院団体の代表決定を委ねることは言語道断である」とし、さらに「長瀬先生は精神科のことだけに注力するような先生ではない。3期務められた西澤先生にレクチャーをしてもらえれば、しっかりと中医協委員を務められるだろう」と話されました。
副議長を務められている宮崎先生は今回の決定について「全会一致は重要なことであるが、現実はなかなか難しい。まさに日病協のあり方が問われるところであるが、ぶつかり合う意見をネゴシエイトしつつ、まとめていく中で11団体の強さが出てくる。中医協委員に推薦される候補者は、個人の出自団体にとらわれずに中医協の場で活躍してほしい」と発言されました。
会議の最後に武久先生は、「意見をぶつけ合うのは大いに構わないが、最後にはまとまらなければ日病協は崩れてしまう。今回の議長採決という手法は日病協としては不本意なものであるのも理解している。私が議長に適任かどうかを問うていただいても結構です」と話されました。
2013年9月7日