電子申請など現場への周知を ── 報告書の取りまとめで橋本会長

会員・現場の声 会長メッセージ 審議会

2022年10月27日の介護文書委員会

 介護文書の負担軽減に向けた報告書を取りまとめた厚生労働省の会合で、日本慢性期医療協会の橋本康子会長は会員病院の声を伝え、電子申請・届出システムの内容やスケジュールについて現場への周知を求めたほか、必須項目について「入力しなければ次に進めないようにしてほしい」と提案した。

 厚労省は10月27日、社会保障審議会(社保審)介護保険部会の下に設置された「介護分野の文書に係る負担軽減に関する専門委員会」(委員長=野口晴子・早稲田大学政治経済学術院教授)の第13回会合をオンライン形式で開催し、当会から橋本会長が委員として出席した。

 厚労省は同日の会合に、これまでの検討を踏まえた「取りまとめ(案)」を示し、了承された。要望が多かったローカルルールの是正については、「国が示している標準様式例の使用が、地方公共団体にどの程度浸透しているのか確認のために調査を行うべき」と踏み込み、委員から期待の声が上がった。

 取りまとめを受け、厚労省老健局の大西証史局長があいさつ。「取り組み等のフォローアップをしっかりやっていくことがまた必要であり、それがより良い制度運営につながっていくことだと思っている」と述べた。

【橋本康子会長の発言要旨】
 会員の先生方から3点ほどコメントがあったので、それを述べる。まずスケジュールについて。現場では、電子申請や文書負担の軽減について、「施設などにはあまり詳しい説明がなされていない」「いつから電子化になるのかよくわからない」との声がある。今回の資料では導入スケジュールなどが示されているので、各自治体から現場に連絡があるとは思うが、現場にはなかなか届いていない印象があるので、もう少し、わかりやすく説明していただければありがたい。
 2点目は、標準様式の統一と、その電子入力について。現場の担当者が打ち込む場合、コピー&ペーストが可能ではない項目がたくさんあるので負担がある。できるだけコピー&ペーストが可能になるように工夫してほしい。 
 3点目は、必須項目について。入力しなければ次に進めないような工夫も検討してほしい。未入力の項目があったために報酬の返還を求められた事例があったようなので、必ず入力しなければいけない項目については、入力しなければ進めないシステムにしてほしいという意見があった。

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【厚労省老健局・大西証史局長のあいさつ】
 令和4年度だけでも7月から4回にわたり、全体も13回になる。この間、野口委員長をはじめ委員の皆さまに活発なご議論、ご検討をいただき本当に感謝している。
 介護事業者の皆さま、自治体の皆さまへのヒアリングも含め、双方からとても現場感のある文書負担の現状についてお伺いすることができた。この取り組みの重要性を改めて認識したところである。 
 令和元年12月に中間取りまとめをいただいた。それを踏まえて、できることはどんどんやっていこうということで進めてきた。本日、いろいろなお言葉をいただいた。負担軽減に向けた取り組みが着実に進展していることもお伺いできて、とても嬉しく、身の引き締まる思いである。 
 本日、取りまとめについて大筋でご了解をいただいた。今後のさらなる負担軽減の実現に向けて、各取り組みをいかに推進していくかがとても重要であると考えている。 
 今回、取りまとめいただいた内容に関して、取り組み等のフォローアップをしっかりやっていくことがまた必要である。それがより良い制度運営につながっていくということだと思っている。
 恐縮ではあるが、今後とも本専門委員会の開催を適宜お願いして、委員の皆さまのご知見をいただければ幸いである。ご協力のほど、今後ともよろしくお願いしたい。

                          (取材・執筆=新井裕充) 

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