「住む場所でサービスの差が非常に大きくなる」 ── 社保審・部会で武久会長

会長メッセージ 協会の活動等 審議会

20190320_介護保険部会

 日本慢性期医療協会の武久洋三会長は3月20日、介護保険制度の見直しに向けて議論した厚生労働省の会議で、今年4月からスタートした国民健康保険の都道府県単位化に触れながら「介護保険もそろそろ、そのようにしないと、住む場所によって受けることができるサービスの差が非常に大きくなる」と危惧し、「こういった問題点も少し考えていただけたらと思っている」と述べました。

 厚労省は同日、社会保障審議会(社保審)の介護保険部会(部会長=遠藤久夫・国立社会保障・人口問題研究所所長)を開き、2021年度から始まる第8期の介護保険事業計画に反映させる介護保険制度の改正に向けて「介護予防・健康づくりと保険者機能の強化」をテーマに議論しました。当協会からは武久会長が委員として出席しました。

 制度改正に向けた検討は今年2回目となります。この日の部会で厚労省は、地域包括支援センターの在り方や、総合事業の見直し、介護予防に積極的な自治体に配布するインセンティブ交付金などに関する論点を示し、委員の意見を聴きました。

 委員からは「このままでは必要な人が必要なサービスを受けることができなくなることが危惧される」「市町村によって大きな差が出ている」などの指摘もありました。

 こうした意見などを踏まえ、武久会長は「総合事業の介護予防について危惧していたが、地方の田舎に行くと、なかなかうまくいかない」との認識を示し、「住む所によって保険料とサービス利用のバランスが取れていることが一番必要だが、地域差がある。それは介護保険料の差が関係しているのではないか」と指摘しました。

 その上で武久会長は「国民健康保険の保険者が市町村から都道府県に移ったように、介護保険もそろそろ、そのようにしないと、住む場所によって受けることができるサービスの差が非常に大きくなるので、こういった問題点も少し考えていただけたらと思う」と述べました。

                          (取材・執筆=新井裕充) 

この記事を印刷する この記事を印刷する

« »