第516回中医協総会 出席のご報告

協会の活動等 審議会

2022年2月9日の中医協総会

 厚生労働省は2月9日、中央社会保険医療協議会(中医協、会長=小塩隆士・一橋大学経済研究所教授)総会の第516回会合をオンライン形式で開催し、当会から池端幸彦副会長が診療側委員として出席した。

 厚労省は同日の総会に、令和4年度の診療報酬や薬価、材料価格などの改定案を示し、了承された。答申書は小塩会長から佐藤英道・厚生労働副大臣に手渡された。

 支払側を代表して松本真人委員(健康保険組合連合会理事)は「医療従事者の働き方改革、不妊治療への対応、ヤングケアラー対策、医療的ケア児への支援等、国の政策や社会問題に対して現段階でとりうる措置を講じることができた」と評価した上で、「これらについては診療報酬以外の手法を含めた総合的な対応が求められる」と述べた。

 診療側を代表して城守国斗委員(日本医師会常任理事)は「今まさに第6波の中、日本全国で、そして地域全体でコロナ禍に尽力している医療現場が疲弊している中、無理な厳格化をすると、地域の医療提供体制そのものが崩壊することになり、取り返しのつかないことにもなる」と強調した。
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ベストの解を得ることができた

 答申を受け、最後に小塩会長があいさつ。「今回の診療報酬改定には大きく分けて3つの課題があった」とし、①長期的な課題、②リアルタイムの課題、③新たな課題──の3点を挙げた。

 ①については、「高齢化の本格的な進展のもとで医療保険制度の効率性と持続可能性をどのように高めるべきか」とし、②については「新型コロナウイルス感染拡大に診療報酬面でどのように対応すべきか」、③については不妊治療の保険適用、オンライン診療、リフィル処方箋を挙げ、「新たな改革を診療報酬面でどのように反映させるべきか」と指摘した。

 こうした課題について小塩会長は「いわば連立3元方程式を解く必要があった。その連立方程式を対面ではなく、ほぼ全回にわたって、オンラインでの議論で解かなければならないという極めて異例な展開となったが真摯に議論していただいた」と振り返り、「制度をより良いものにするというスタンスは、われわれ全員に共有されており、現時点では連立方程式のベストの解を得ることができた」と評価した。

                           (取材・執筆=新井裕充) 

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