第84回社会保障審議会医療保険部会 出席のご報告

会長メッセージ 審議会

20141107医療保険部会

 平成26年11月7日(金)、厚生労働省にて「第84回社会保障審議会医療保険部会」が開催され、当会からは委員として武久洋三会長が出席いたしました。今回は「医療保険制度改革について」として、下記の5つの議題の論議が行われました。
 
 ①特定健康保険組合について
 ②任意継続被保険者制度について
 ③後期高齢者の保健事業等について
 ④患者申出療養(仮称)について
 ⑤医療保険制度改革全般について
 
武久会長 武久会長は「後期高齢者の保健事業等について」の議題において、後期高齢者の健康診査の項目の中に低栄養状態を発見するための検査が入っていない点を指摘し、追加を検討してほしいと述べました。また、誤嚥を防ぐことが肺炎を防ぐことに直結していると強調し、嚥下機能の低下を早めに見つけるため、咽頭反射を見るための項目の追加も要望しました。さらに認知症の初期の段階を見極めるためのテスト項目についても追加の検討を要望し、早期の認知症発見につなげてほしいと述べました。
 
 武久会長は続けて、男性は平均寿命と健康寿命には10年近くもの開きがある点に言及しました。そして、高齢者には何もかもやってあげるようなケアを提供することがよいのではなく、お互いに助けあい、生活のモチベーションを高め続けられるような、労働寿命に配慮したケアが必要とされていると発言しました。
 
 事務局からは、健康診査の項目については引き続き検討を行うとの回答がありました。

 患者申出療養(仮称)については、今後も中医協での議論と並行して本部会でも審議し、医療保険部会の意見を中医協にも伝えていく形で進められることが確認されました。

 最後に武久会長は、無料の健康診断や特定検診の受診率が低い点について指摘をしました。検診を受けないということは、未受診分の人口の健康データが得られないということであり、受診という形での国民の協力を得られないまま医療費がかさんでいくことに対しては、今後何らかの対策をとっていくべきであると検診へのインセンティブの必要性を主張しました。

 ○第84回社会保障審議会医療保険部会の資料は、厚生労働省のホームページに掲載されています。
 ⇒ http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000063769.html
 

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