第1回「入院医療等の調査・評価分科会」(8月1日)のご報告

審議会

入院医療分科会01

 厚生労働省は8月1日、診療報酬改定などを審議する中央社会保険医療協議会(中医協)の調査専門組織「入院医療等の調査・評価分科会」の初会合を開催しました。分科会長には、国際医療福祉総合研究所の武藤正樹所長が就任し、厚労省が示した2012、13年度の調査案について議論しました。

 同分科会の前身は、「慢性期入院医療の包括評価調査分科会」(分科会長=池上直己・慶大教授)で、医療療養病床の入院料に関わる調査などを担当していました。12年度改定の答申書に付された意見(附帯意見)では、療養病床の入院医療だけでなく、一般病床の入院医療まで広く横断的に調査する必要性が指摘されたため、同分科会を解消して新たな分科会として設置されました。「7対1入院基本料の見直し」や「長期入院の是正」など、附帯意見に対応する27項目のうち7項目に関わる調査を新分科会が担当します(資料は厚労省ホームページ)。

 この分科会は、医療関係者を中心に12人で構成。旧分科会から引き続き委員となったのは、日本慢性期医療協会(日慢協)会長の武久洋三氏、国立病院機構関門医療センター病院長の佐柳進氏の2人。新たに委員に就任したのは、日本医師会(日医)常任理事の石川広己氏、日本病院会常任理事の安藤文英氏、全日本病院協会副会長の神野正博氏ら10人です(委員名簿:PDF)。この日は、安藤氏、神野氏の2人が欠席でした。
 

「広く今後の入院医療のあり方を検討」─武藤分科会長
 

武藤正樹分科会長 冒頭の挨拶で武藤分科会長は、「非常に広い範囲の調査、検討を行う分科会であり、次期の診療報酬改定に関する中医協の議論に資する基礎資料を出すことだけでなく、広く今後の入院医療のあり方の検討に資することが目的と考えている。このような認識の下、調査、検討にご尽力を賜りたい」と述べました。

 同分科会で検討するのは、(1)病院機能に合わせた効率的な入院医療の推進、(2)医療提供体制が十分ではなく医療機関の機能分化を進めることが困難な地域に配慮した評価の検討、(3)入院医療や外来診療の機能分化の推進や適正化に向けた検討、(4)診療報酬点数表における簡素化の検討、(5)医療機関における褥瘡の発生等の状況の検討───の5項目です。12年度は(1)(2)(4)(5)を、13年度は(1)(3)を調査します。

 第1回の主な議題は、▽入院医療等の調査・評価分科会について、▽同分科会における2012年度と23年度の調査内容の検討(案)について──です。まず、厚労省の担当者が同分科会の目的や今後のスケジュールなどを説明。その後、12年度調査と13年度調査の内容や項目について議論し、厚労省の提案を大筋で了承しました。

 9月初旬に開かれる予定の第2回会合では、今年度の調査票をまとめた後、中医協総会の了承を得て10月から調査を実施し、来年2月の第3回会合で調査結果を取りまとめる予定です。
 

「看護必要度の見直しも含め検討」─厚労省
 

 この日は、入院患者の重症度を測る「看護必要度」をめぐる議論が中心となりました。「看護必要度」は現在、「7対1入院基本料」「10対1入院基本料」の算定要件で、「13対1入院基本料」の加算要件にも用いられています。次期改定で「7対1入院基本料」のハードルを上げる場合、この「看護必要度」の見直しが1つのカギを握ります(続きはこちら)。
 
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