要介護度、「改善すればインセンティブを」── 橋本会長、介護保険部会で
介護保険制度の見直しに関する意見の取りまとめに向けて議論した厚生労働省の会合で、日本慢性期医療協会の橋本康子会長は今後に向けた課題として「要介護認定と報酬」を挙げ、「改善すれば何かインセンティブが働くように」と提案した。
厚労省は12月22日、社会保障審議会(社保審)介護保険部会(部会長=菊池馨実・早稲田大学理事・法学学術院教授)の第132回会合を開催し、当会から橋本会長が委員として出席した。
これまでの議論を踏まえ、厚労省は同日の部会に「介護保険制度の見直しに関する意見(案)」を提示。前回12月15日の議論などを踏まえた修正箇所を中心に厚労省の担当者が説明し、質疑に入った。
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委員からは「意見案の内容について異論はない」「これまで議論を丁寧に取りまとめていただいた」と賛同する意見が多かった。橋本会長も今回の意見案に賛成した。
【橋本康子会長の発言要旨】
詳細に取りまとめていただき、感謝を申し上げる。その点については特に意見はない。
ただ、今後の課題というか、もっと大きな総論的なことになるとは思うが、介護保険の要介護認定と、その報酬に関して。意見案にも書かれているように、高齢者の自立に向けての支援や重度化防止は大きな課題になっている。それをやらなければいけないのは周知の事実だが、現在の体系では自立に向かうと報酬が減少する。自立支援に向けて取り組まなければいけないが、インセンティブ、やる気が出にくい体制になっているのではないか。
根本的な大元のことになってしまうが、これが議論に入ってくるべきではないかと私は思う。全部改善するのではなく、良くなれば何かインセンティブが働くなど、そうしたことも今後は必要ではないかと考える。
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大筋の方向性、「これでよい」
給付と負担の項目については、「利用者負担の見直しは慎重にお願いしたい」「しっかり議論して、応能負担について国民の理解が得られるようにしてほしい」などの意見があった一方、「給付と負担の見直しは避けて通れない」との意見もあった。
ケアマネジメントに関する給付の在り方については、「ケアマネジャー数が減少し、不足が深刻化する中で、住宅型有料老人ホームに関連してケアプラン作成に加えて新たな相談支援を担う新類型をつくることは、ケアマネジャー不足が深刻化している中で、ケアマネジャーにとって重い業務負担となることは容易に想像できる。新類型の創設には反対を表明する」との意見もあった。
この日の議論を終え、菊池部会長は、「大筋の方向性については、これでよいという意見が大半であった」との認識を示した上で、「本日の意見書にまだ入っていない2割負担の対象拡大について、さまざまな意見をいただいた」と指摘。「事務局には、意見書にどう反映するかという作業を進めていただきたい」と求めて閉会した。
【菊池馨実部会長の発言要旨】
本日もさまざまなご意見を頂戴し、感謝申し上げる。個別の論点に関して、なお反対という旨の意見があった。あるいは、意見を明記してほしい、加筆をお願いしたいという意見をいくつか頂いたが、大筋は、この意見の方向性については、これでよいという意見が大半であったと考えている。もちろん、反対という趣旨の意見については、意見書にその旨を記載しておくことは確認させていただくが、その意見があった旨をどこまで明記できるか、事務局に調整していただく。
次回提示される論点もあったが、それ以外は基本的にはこの方向でということで、概ね一致いただいたと認識した。
また、本日の意見書にまだ入っていない給付と負担の中でも2割負担の対象拡大について、本日もさまざまな意見をいただいた。事務局におかれては、本日いただいた意見も踏まえ、意見書にどう反映するかという作業を進めていただくようお願いする。
以前に申し上げたように、制度のあるべき姿については皆さまそれぞれ持論があるかと思う。そこは重々承知しているが、まずは年内取りまとめを行わなければいけないので、今回、どう取りまとめるかということで、お知恵を拝借させていただきたいと先だってもお願いを申し上げた。皆さまには、さまざまな事務局との調整の中で、ご協力をいただいていると認識している。深く感謝を申し上げる。
次回の取りまとめまで、それほど期日はないが、引き続き事務局からご相談等をさせていただくと思うので、取りまとめに向けてご協力いただければ幸いである。
2025年12月23日


