看護必要度等、「結論を出すべき内容」── 池端副会長、中医協総会で

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★★2025年10月1日の総会

 重症度、医療・看護必要度や包括期入院医療について、日本慢性期医療協会の池端幸彦副会長は10月1日の中医協総会で「非常に重要かつ喫緊の課題であり、次の改定に向けて議論し、結論を出すべき内容でもある」との認識を示した。

 厚生労働省は同日、中央社会保険医療協議会(中医協、会長=小塩隆士・一橋大学経済研究所教授)総会の第618回会合を都内で開催し、当会から池端副会長が診療側委員として出席した。
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 厚労省は同日の総会に「入院・外来医療等の調査・評価分科会における検討結果(とりまとめ)」を提示。入院・外来医療に関する18項目について、尾形裕也分科会長(九州大学名誉教授)が検討結果を説明し、了承された。

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中医協総会の場でご議論いただきたい

 質疑で、診療側の江澤和彦委員(日本医師会常任理事)は「尾形分科会長のもと、今回もとりまとめに向けて熱心にご議論いただいた」と謝意を示した上で、「この分科会のミッションは、令和6年度診療報酬改定に関わる答申書附帯意見等に関する事項等について技術的な課題に関して専門的な調査および検討を行うことである」と改めて強調した。

 その上で江澤委員は「今回のとりまとめで示されたご意見については、あくまでも前回改定に対する調査・分析であって、次回改定に向けた方向性については、今回のとりまとめに示されたご意見に拘束されることなく、今後この総会の場で議論されるものと受け止めているが、そのような理解でよろしいか」と質問した。

 厚労省保険局医療課の林修一郎課長は「結論から申し上げると、そのとおり。答申書の附帯意見に沿った調査の実施・分析、現状の評価、また分科会のミッションとしてはDPCの係数など、さまざまな指標に関する研究などを行っていただいており、こうしたとりまとめを今日ご報告いただいた」と説明。今後の議論については、「次回以降、こうしたとりまとめや調査結果も参考にしながら事務局として資料を提示させていただき、まさにこの中医協総会の場でご議論いただきたいと考えている」と述べた。

 続いて池端副会長が発言。18番目の項目に挙げられた「中長期的に検討すべき課題」について、「次の改定に向けて、しっかり議論し、結論を出すべきものは出さなければいけない内容でもあると思う」と述べた。

【池端幸彦副会長の発言要旨】
 とりまとめいただいた分科会長に敬意を表したい。1点だけ質問させていただく。「18.中長期的に検討すべき課題について」ということで、今回3点挙げられた。この74ページの丸3つ目の所に、「こうした検討を進めるに当たっては、医療と介護の双方の視点を踏まえた検討をすべきとの意見や、いずれも大変重要な課題であるため、速やかに検討を進めるべきとの意見があった」としている。 
 確かに、中長期的にしっかり議論しなければいけない3点ではあるかと思うが、特に(2)の重症度、医療・看護必要度、そして(3)の包括期入院医療における患者別の評価等に関しては非常に重要で、なおかつ喫緊の課題でもあり、次の改定に向けて、しっかり議論し、結論を出すべきものは出さなければいけない。そういった内容でもあるかと思うが、この総会でも、そういうことで進めていくことを前提の上で、残されたものについては中長期的に考えましょうという考え方でいいのかどうか、事務局をお考えについて質問させていただきたい。

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【厚労省保険局医療課・林修一郎課長の発言要旨】
 今回のとりまとめの中では、例えば、29ページに「7.重症度、医療・看護必要度について」とあり、調査の結果、現状の評価等については、いったんここにまとめていただいていると思っている。
 分科会のミッションとしては、先ほど申し上げたように、さまざまな指標に関する研究などもミッションとしてあるので、そうした点において、分科会としては、さらに研究が必要であるという考えとして、残された部分が18の所に書かれていると私どもは受け止めている。したがって、重症度、医療・看護必要度について、18だけに書いてあるということではなくて、7と18に分かれて書かれているということである。

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B項目はなじまなくなってきた

 一方、支払側の松本真人委員(健康保険組合連合会理事)は「先ほど池端委員からも(発言が)あったが、74ページ以降に示されている『中長期的に検討すべき課題』のうち、2つ目の重症度、医療・看護必要度についてコメントさせていただく」と切り出し、「B項目の取扱いについて分科会では委員の見解に相違があり、今回は結論に至らなかったものと受け止めている」との認識を示した。

 その上で、松本委員は「この指標を活用する目的、評価項目、データソースが変化する中で、健保連としては、急性期の入院医療を判断する指標として、B項目はなじまなくなってきたかなと感じている」とし、簡素化を求める業務の上位3番目に「重症度、医療・看護必要度の評価・記録」が挙げられている点を指摘。「来年度以降の令和10年度改定に向けた議論では、結論を得るべきだと考える」と述べた。
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 中長期的に検討すべき課題について今回のとりまとめでは、「来年度以降に実施される入院・外来医療等における実態調査や厚生労働科学研究等により更に検討が進められることが望ましい」としている。
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