「第111回 社会保障審議会医療保険部会」 出席のご報告

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「第111回 社会保障審議会医療保険部会」 出席のご報告

 平成30年4月19日(木)、「第111回 社会保障審議会医療保険部会」が開催され、武久洋三会長が委員として出席いたしました。会議では下記の議題が話し合われました。

(議題)
 1.医療保険制度をめぐる課題
 2.レセプト情報・特定健診等情 報データベース等の解析基盤の検討の進め方について(報告)
 3.その他

(第111回 社会保障審議会医療保険部会 資料)
 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000204033.html
 

 今回は平成30年度はじめての医療保険部会の開催でした。そこで遠藤久夫部会長より医療保険制度に関わる委員からの幅広い意見をいただきたいというお話があり、厚生労働省から医療費が増大する中で地域別の診療報酬を導入する案や、財務省から厚生労働省に提言が行われた医療費の動向に合わせて給付率を変動させる案などが提示され、各委員から様々なご意見が出されました。

【武久洋三会長のご発言】
 診療報酬は全国統一の制度であるべきであると考えている。
 一方で東京都内は土地代・建築費・人件費が高く、都内の中小病院は地方と同様の方法で経営できるかというと非常に厳しい。このままでは廃院に追い込まれかねず、都民の生活にも悪影響が出てくることが危惧される。
 そこで地域別の診療報酬ではなく、地域加算についてこれから考えていかないと、東京都内の中小病院は続々と経営が厳しくなるだろうと感じている。

 また日本では高齢者がどんどん増えているが、入院患者の78%が後期高齢者である。高齢者と若い人とは治療方法・疾病構造が違うのは当然であり、今回の同時改定では在宅を含めて、低栄養や脱水、嚥下リハビリや排泄リハビリ等に対して、実際に状態が改善されたら評価されるというアウトカム評価が重視された点は素晴らしいと思う。

 しかし日本の入院患者の現状について、平均在院日数は慢性期を含めると約30日、一方でアメリカの平均在院日数は5日であり、ベッドの数も日本はアメリカの5倍となっており、寝たきりもアメリカの5倍ということになる。
 私はアメリカに合わせる必要は全くないと思うが、寝たきりが5倍はあまりにも多いではないかと思う。多くの後期高齢者が長期に入院して動けなくなってしまうというのは、非常に問題である。今回の改定ではリハビリテーションについても評価していただいたが、この辺を今後改善していく必要がある。

 ただ残念ながら財務省の提言では、急性期病院での無駄な長期入院の問題についてはほとんど触れていない。
 厚生労働省の資料ではこの問題に関する手術前の平均入院日数など様々なデータが出ているが、入院期間というものを考えていく必要がある。特に後期高齢者は、急性期病院での長期入院により動けなくなり関節が拘縮してくるため、リハビリテーション設備とスタッフがより必要になる。また寝たきりが増えるため、介護施設がより必要になっていく。このような医療費を増大させている悪循環について、医療保険制度の中で一回立ち止まって根本的に見直していかなければならない。
 負担金の問題よりもっと根本的な問題について、皆様に考えていただけると幸いである。
 

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