第93回社会保障審議会医療保険部会 出席のご報告
平成28年1月20日、「第93回社会保障審議会医療保険部会」が開催され、当会からは委員として武久洋三会長が出席いたしました。
今回は、今後の医療保険部会で扱う主要な議論の内容とスケジュールが提示されました。当面の主要事項としては、国保改革、医療費適正化計画などが挙げられています。国保改革については「国保基盤協議会」での議論を、医療費適正化計画については「医療・介護情報の活用による改革の推進に関する専門調査会」での議論をそれぞれ踏まえた上で、年度末までを目処に、医療保険部会で議論を行う予定です。
また、平成27年12月の「経済財政諮問会議」においてまとめられた改革工程表からも、同様に医療保険部会での検討事項が抜粋されました。年度末までに医療保険部会としての結論を出す予定の議題は、下記のとおりです。
・慢性期の医療・介護ニーズに対応するサービス提供体制に係る制度上の見直し
・医療・介護を通じた居住に係る費用負担の公平化
・外来医療費について、データに基づく地域差の分析と是正
・かかりつけ医の普及においての診療報酬上の対応や外来時の定額負担
・保険者による予防の推進などのインセンティブ改革
・保険者によるデータヘルスの取り組みの展開
・世代間、世代内での公平化を図り、負担能力に応じた負担を求める観点からの検討
・医療保険、介護保険におけるマイナンバーの活用
武久会長はマイナンバーの今後の活用について、保険給付にとどまらないマイナンバーを用いた医療情報のネットワーク化や、将来的な仕組み作りについて、厚労省にイメージを示して欲しいと要望されました。
また、「療養病床の在り方等に関する検討会」で議論されている医療療養・介護療養病床の今後について、「既存の療養病床は廃止した上で、別個に新しい施設を作る」というような印象の報道が一部で行われているという点に触れ、「既存の療養病床の一部を転換していく」という方向性で考えていくのであれば、今後適切なアナウンスメントが必要ではないかと述べられました。
医療保険部会では、今回提示された議題を主軸として今後の議論を進めていく予定です。
2016年1月21日