日病協「第134回代表者会議」 出席のご報告

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日病協「第134回代表者会議」 出席のご報告

 平成27年12月18日(金)、日本病院団体協議会(日病協)の「第134回代表者会議」が開催されました。12病院団体から計21名が会議に出席し、当会からは武久洋三会長が出席いたしました。

 会議では、診療報酬実務者会議の副委員長の人選に続き、12月16日までに開催された中医協の会議、第124回診療報酬実務者会議などについて報告、検討が行われました。

 中医協等の会議の報告について、DPC評価分科会は小山信彌先生(日本私立医科大学協会病院部会担当業務執行理事)、医療機関等における消費税負担に関する分科会は西澤寛俊先生(全日本病院協会会長)、総会や薬価専門部会などについては万代恭嗣先生(中医協委員)からそれぞれ報告が行われました。

 医療機関等における消費税負担に関する分科会に関して武久会長は、「増改築をはじめとする高額な設備投資にかかる消費税は診療報酬では何年経てば補填されるのか。減価償却を活用しても、経営が黒字でなければ病院にとって苦しい状況は変わらない」と発言されました。
 診療報酬での消費税の補填については、日慢協をはじめ複数の団体から今後の方針について意見が出されました。西澤先生は「データによっては、マスコミの偏重報道で病院が不利になりかねない」と慎重な姿勢を見せました。武久会長は「建築コストが高騰する中、建替えが必要な病院も多い。民間病院の経営者の一人として困っているので、早期に対応してほしい」と要望を述べられました。

 万代先生の報告のうち、12月2日に開催された中医協総会・個別事項(その5;リハビリテーション)では、「回復期リハビリテーション病棟におけるリハビリテーションの質に応じた評価」「廃用症候群の特性に応じたリハビリテーション」などについて議論が行われました。
 
 リハビリテーション(以下、リハビリ)の質に応じた評価に係る課題と論点については、「回復期リハビリ病棟の入院患者に対するリハビリについて、医療機関ごとのリハビリの効果に基づく評価を行うこととし、提供量に対する効果が一定の実績基準を下回る医療機関においては、1日6単位を超える疾患別リハビリの提供について、入院料に包括することとしてはどうか」という方向性が示されたことが報告されました。
 
 これに対し武久先生は「回復期リハビリ病棟において、1日平均6単位より多く疾患別リハビリを実施された患者の割合別病棟分布のグラフが示されている。入院料1を算定している病棟について、90%以上の患者に6単位を超える疾患別リハビリを提供している病棟は約25%であり、入院料1を算定する回復期リハビリ病棟のなかでは最も多くの病棟が分布している。一方、入院料2においては、6単位を超える疾患別リハビリを提供された患者の割合が0~10%未満である病棟が最も多く約45%であり、90%以上提供している病棟は約15%にとどまっている。6単位という基準では、より真剣にリハビリに取り組んでいる病棟だけを抽出することができないので、議論として問題がある」と指摘されました。

 廃用症候群リハビリの特性に応じたリハビリについては、「報酬点数を減らさないように」と主張したことを万代先生が説明されました。
 武久会長は、「廃用症候群には神経症状はない。つまり短期間で早く、集中的にリハビリを行うことができれば、廃用症候群はよくなる。脳血管障害の患者はリハビリを提供しても麻痺が残ってしまう場合が多い。また疾患別リハビリにおいては、廃用症候群の患者のほうがより早くリハビリの効果が出るにもかかわらず、脳血管疾患患者に対するリハビリのほうが高い点数になっている。同じ資格の医療従事者が同じリハビリを提供しているのに点数に差が出るのは公平ではない」と指摘されました。

 猪口雄二先生(中医協委員)は「疾患別リハビリの点数差について、脳血管疾患リハビリと廃用症候群には以前から差がついている。廃用症候群リハビリは運動器リハビリと同等の評価であると主張するつもりである。廃用症候群に対しては早期にリハビリが介入できるようにしたい」が回答したところ、武久会長は「前から差ができているから変えられないという姿勢はとらないでほしい。基本的に回復期リハビリ病棟ではリハビリで収益が出ている。リハビリで収益が出なくなると、その病院の経営は困難になる。漫然とマッサージを施して単位を認めるのではなく、しっかり患者を回復させることに対して評価をしてほしい」とリハビリのあり方について発言されました。

 実務者会議については、委員長の原澤茂先生より、要望書を12月1日に提出したことが報告されました。次回の代表者会議は1月28日(木)に開催されます。
 

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