日病協「第125回代表者会議」 出席のご報告
平成27年3月27日(金)、日本病院団体協議会(日病協)の第125回代表者会議が開催されました。12病院団体から計17名が会議に出席し、当会からは武久洋三会長と中川翼副会長が出席いたしました。
会議では、3月23日までに開催された中医協や第115回診療報酬実務者会議、日本私立医科大学協会が行った「5→8%消費増税の影響調査結果」などについて報告、検討が行われました。
3月18日に開催された「地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会」に関して、地域医療構想調整会議の設置・運営のうち、議長等の選出については「参加者の中から地域の実情に応じて、都道府県の関係機関、医師会の代表等から選出されることになる」と記載されていることを西澤寛俊氏(全日本病院協会会長)が報告されました。
武久会長はこの記述について「人口の少ない医療圏において、診療所などの医師が地域の医療・介護をコントロールできるだろうか。そういった地域においては、病院団体から議長を選出したほうがよいと考える」と発言されました。続けて武久会長は「このガイドラインや地域医療連携推進法人制度は、医療費の削減へと繋がっている。ガイドラインに強制力はないものの、単なる『参考』に止まらず診療報酬点数などへ反映される。その結果、急性期・慢性期ともに病床数は減り、病院の経営が苦しくなる。いずれ運営できなくなる病院も出てくるだろう」と述べられました。
加納繁照氏(代表者会議議長)は地域医療構想策定ガイドラインに関する話題を「数字ありきでまとめられた印象を受ける。定期的な見直しが必要だろう」とまとめられました。
第115回診療報酬実務者会議については、猪口雄二氏(診療報酬実務者会議委員長)から報告されました。平成28年度診療報酬改定に対しては、次回以降より要望書の作成検討に入る予定となっています。
また、全日本病院協会が実施した「入院基本料及び特定入院料等の算定状況アンケート調査」について、平成25年10月と平成26年10月時点の入院基本料及び特定入院料等の比較や、平成26年4月以降の入院基本料及び特定入院料等の変更状況などの調査結果が猪口氏より説明されました。猪口氏はこの調査結果から「亜急性期入院医療管理料から7対1入院基本料に変更したところもあり、まだ7対1は減らない」と発言されました。
この調査結果に対し武久会長は「例えば病院・施設の改修をしたくても、資金がないのが現状であり、病院としては病床の削減に抵抗するのは当たり前のことである。慢性期病院においては、療養病棟入院基本料1や回復期リハビリテーション病棟入院基本料の算定を目指すのは当然の防御反応ともいえる。今後は医療・看護必要度の高い患者を在宅で診ることや、回復期リハビリ病棟でのリハビリ包括化などは、十分に考えられることである。財務省からのプレッシャーを感じ、厳しい状況は続くが、地域医療を守るため力を合わせて頑張りたい」と述べられました。
また、武久会長は「平成27年度介護報酬改定では収益の目立つ部分の点数を引き下げている代わりに、必要な項目に対しては引き上げが行われており、引き下げ分をカバーできるようになっている。しかし、診療報酬の加算はいずれもハードルが高く、なかなか算定できない」と、診療報酬の現状についてコメントされました。
日本私立医科大学協会「5→8%消費増税の影響調査結果」については、川瀬弘一氏(日本私立医科大学協会特定機能病院等における包括評価制度に関する調査研究分析WG委員)から報告がなされました。概ね日病協の行った「医療機関における消費税に関する調査」と同様な結果が得られたことが報告され、検討の結果、日病協の記者会見で報告されることとなりました。
日本医療安全調査機構運営委員や社会保障審議会臨時委員等についての推薦依頼の検討が行われた後、代表者会議議長の任期が満了となった加納氏から挨拶が行われ、会議は終了となりました。
4月からの議長は楠岡英雄氏(国立病院機構大阪医療センター院長)、副議長は神野正博氏(日本社会医療法人協議会副会長)となります。
2015年3月28日