第86回社会保障審議会医療保険部会 出席のご報告

協会の活動等 審議会

武久会長20150220

 平成27年2月20日、厚生労働省にて「第86回社会保障審議会医療保険部会」が開催され、当会からは委員として武久洋三会長が出席いたしました。

 今回は医療保険制度改革、国民健康保険の見直しについて議論が行われました。
 
 まず、2月12日に行われた「国民健康保険制度の基盤強化に関する国と地方の協議(国保基盤強化協議会)」での議論を取りまとめた内容が報告されました。
 
 公費拡充等による財政基盤の強化として、国は平成27年度以降、低所得者対策として毎年1,700億円、また平成29年度以降は更に国費1,700億円を追加し、毎年計3,400億円の国費を投入する方針です。
 また、平成30年度より国保運営主体を都道府県に移行し、制度の安定化を図る旨についても説明されました。都道府県が国保の財政運営にも責任を有することで、地域医療構想とあわせて効率的な医療提供体勢を構築するのが狙いです。国保の基盤の強化、安定化を果たすことで国民皆保険を維持する効果を見込む旨が述べられました。
 
 またこれらの内容を受け、「持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案」として通常国会に堤出される予定の改正案が提示されました。
 上記の国保基盤安定化(公費拡充、運営主体の移行)のほか、主な内容は後期高齢者支援金への全面総報酬割の導入、負担の公平化(入院時食事療養費の引き上げ、紹介状なしの大病院受診時の定額負担の導入、健康保険標準報酬月額の上限額引き上げ)となっています。
 
 被用者保険については、26年度を期限としていた協会けんぽの国庫補助率16.4%の規定が期限の定めなしへと見直され、被保険者所得水準の高い国保組合への国庫補助も見直しとなり、被用者保険に対して負担の多い内容となりました。これに対して被用者保険5団体からは、これまでの議論において被用者保険団体の意見が十分に尊重されていないとして、改革案に対する意見書が提出されました。
 
 その他、医療費適正化計画の見直し(都道府県の医療計画における目標設定、計画策定プロセスの見直し)や個人・保険者による予防・健康づくりの促進、患者からの申出をもとに行われる保険外併用療養の仕組みの創設などの内容が盛り込まれました。
 
 平成30年の法律施行開始に向け、これより医療保険部会で調整を行っていく予定です。
 

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