日病協「第121回代表者会議」 出席のご報告

会長メッセージ 官公庁・関係団体等

日病協「第121回代表者会議」 出席のご報告

 平成26年11月28日(金)、日本病院団体協議会(日病協)「第121回代表者会議」が開催されました。12病院団体から計15名が会議に出席し、当会からは武久洋三会長と中川翼副会長が出席いたしました。
 会議では、11月26日までに開催された中医協や、第111回診療報酬実務者会議などについて報告、検討が行われました。
 
 中医協等の報告については、万代恭嗣先生(中医協委員)から報告が行われました。
 
 患者申出療養(仮称)について武久会長は「対象となる医療のイメージの図には、『先進医療の対象にならないが、一定の安全性・有効性が確認された医療』が対象で、高齢者や病期の進んだ患者、合併症を有する患者等、先進医療の実施計画(適格基準)対象外の患者に対する療養と記されている。高齢者等は先進医療から切り捨てられてしまうのかと懸念している」とご意見を述べられました。
 
 患者申出療養(仮称)とは、日本では未承認の新薬や医療機器による治療を患者が望む場合、医師が臨床研究中核病院と連携し、混合診療の申請が可能になる制度です。
 患者が申し出た未承認の医療行為が患者申出療養(仮称)として「初めて実施される治療」である場合、安全性や有効性などが原則6週間以内に審査され、臨床中核病院にて治療が行われます。
 未承認の医療行為が患者申出療養(仮称)として「前例のある治療」であった場合には、当該事例を取り扱ったことのある臨床中核病院に申請することで、原則2週間で様々な検討が行われ、臨床中核病院と連携している患者の身近な医療機関で、患者申出診療(仮称)を実施することも可能となります。
 
 他の委員からは、「先進医療の制度とどうちがうのかわからない」、「患者にはよいかもしれないが、保険制度が崩壊しないか不安」などの意見が出されました。

 武久会長が中核都市の大病院が地域包括ケア病棟の算定に積極的であることや、赤字補填の交付金が許可病床数あたりであるため、意図的に一部の病床を稼動させていない病院が存在することを指摘したところ、「交付金は実働病床に応じて交付されるべきである」などの意見が出ました。
 
 武久会長は地域包括ケア病棟の運営について「制度上、民間病院と公的病院が平等であることには賛成だが、金銭面において公的病院では赤字が補填される点が不平等ではないか」と発言されたところ、「大都市で地域包括ケア病棟を算定し、多くの収益をあげる病院に対する不満は理解できる」、「民間・公的病院では基盤が異なるため、一律に規制すると両者の間に谷間は必ずできてしまう」、「自治体病院の運営には、不採算でも地域に必要な医療に対する補填であるため、利益の追求ではない」などの発言が出ました。

 DPC調査分科会については、小山信彌先生(東邦大学医学部特任教授)から報告がなされました。
 武久会長がDPC病院の平均在院日数の年次推移から、「平均在院日数は減少傾向にあり、これからも減少するのではないか」と発言をされたところ、「米国と比較するとまだ平均在院日数は長く感じるが、医療提供体制や病院周辺の宿泊施設など、米国と日本では環境が大きく異なる。地域によって適切な日数は異なるが、10日~14日は妥当な日数ではないか」と、他の委員から意見が出されました。

121回資料_在院日数の平均の年次推移

 続いて、武久会長が平均在院日数の計算において特定除外項目や短期入院の取扱いが変更となったことに言及すると、小山先生は「DPC病院のデータでは、平均在院日数が上昇する可能性はある」と発言されました。武久会長が西澤寛俊先生(全日本病院協会会長)に平均在院日数の短縮について尋ねたところ、「病院の機能として、患者をしっかりと治療し在宅系に帰すことが求められる。その際に要した入院期間をデータとしてまとめていきたい」と返答がありました。

 社会保障審議会医療保険部会については、武久会長、中川副会長の両名から報告がなされました。
 平成21年度国民健康保険組合の所得調査結果について、医師国保組合の市町村市民課税標準額が他の組合に比べて高額であったことから、「所得水準に応じて必要なところだけに国として補助金を出す、自立した運営が可能な国保組合への定率補助は廃止すべき」との意見が出されました。中川副会長は「日本医師会は反対したが、場の空気としては同意されなかった」と、感想を述べられました。武久会長は、今後も病院の立場を心掛けた発言をしていくことを表明されました。

 地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会については西澤先生から、第111回診療報酬実務者会議については猪口雄二先生(診療報酬実務者会議委員長)から、それぞれ報告がなされました。
 

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