第1回地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会 出席のご報告

会長メッセージ 審議会

武久洋三会長20140918

 平成26年9月18日、「第1回地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会」が開催され、武久洋三会長が構成員として出席いたしました。本検討会は、平成27年4月から各都道府県において「地域医療構想」が策定されるにあたり、国が都道府県に示す「ガイドライン」を作成することを目的としています。

 「地域医療構想」の策定は、本年6月に成立した「医療介護総合確保推進法」を根拠としており、その目指す将来像は、「急性期から、回復期、慢性期、在宅医療・介護に至るまで一連のサービスが切れ目なく、また過不足なく提供される体制の確保」にあります。

 二川一男・厚生労働省医政局長は、会議冒頭の挨拶において、「医療介護総合確保推進法の施行により、各都道府県にふさわしい医療提供体制の構築を目指して平成27年度から地域医療構想が策定されることになった。地域医療構想の策定は、この10月からスタートする病床機能報告制度による情報を基にして進めることとされており、ガイドラインを取りまとめるにあたっては、「病床機能情報の報告・提供の具体的なあり方に関する検討会」を引き継ぐかたちで本検討会を設置した。地域医療構想の策定開始が平成27年4月に迫っているため、非常に短期間ではあるが、極めて重要な議論をすることになる」と述べ、ガイドラインがよりよいものになるよう構成員に活発な意見を求めました。

 本検討会の構成員は、医療関係団体の代表者や有識者など20名で構成されており、座長には、遠藤久夫・学習院大学経済学部長が満場一致で選出されました。

 本検討会の論点については、議論すべき事項として、厚生労働省から大きく3つの柱が示されています。

 1.地域医療構想策定ガイドラインに盛り込む事項について
 2.策定した地域医療構想の達成の推進のための「協議の場」の設置・運営に係る方針について
 3.病床機能報告制度において報告される情報の公表のあり方等について

 その中でもメインとなる論点は、「1.地域医療構想策定ガイドラインに盛り込む事項について」であり、佐々木昌弘・医師確保等地域医療対策室長は、「厚生労働省からの視点だけに偏ることのないよう、日本各地でガイドラインが用いられることを想像しながら検討していただきたい」と述べ、県庁職員や医療関係者だけでなく、地域住民にも理解できるガイドラインの作成について、構成員の協力を求めました。

 武久洋三会長は、構成委員による意見交換の中で、下記の2点について、担当課に確認をしています。

◇武久洋三会長の発言
① 厚生労働省から示された議題や論点には、「2025年の医療需要推計方法」や「2025年の各医療機能の必要量の推計方法」など、「2025年の」という文言が多く見られる。これは、本検討会における議論は2025年までを想定しており、2025年以降については想定していないということなのか。人口構造の変化により、構想区域の前提となる二次医療圏はすでに実態を伴わなくなっており、過疎地域における医療の確保を考えれば、2025年以降の医療提供体制のあり方も見据えたガイドラインの作成を検討していくべきである。
② 各都道府県がガイドラインに基づかず、独自に地域医療構想を策定した場合、何らかのペナルティはあるのか。それとも、協力を要請するにとどめ、各都道府県の方針にまかせることになるのか。

 武久洋三会長の質問に対する北波孝・医政局地域医療計画課長の回答は、以下のとおりです。

① 2025年以降も視野に入れたガイドラインを作成すべきではないかという意見については、構想区域設定における「将来の病床数の必要量」は、団塊の世代が後期高齢者となる2025年をターゲットとして検討することとされており、まずは2025年までの道筋について議論をお願いしたい。
② 都道府県がガイドラインにまったく基づかずに地域医療構想を策定したという場合にも、法的なペナルティはとくに規定されていない。ガイドラインには各都道府県が地域医療構想を立てやすくするという狙いがあり、従うべきものというよりは、従っていただきたいものである。厚生労働省としては、ガイドラインの趣旨について周知徹底を努めるということになる。

 ガイドラインの拘束力については、中川俊男・日本医師会副会長より、「地域医療構想は地域の実情を反映して策定されるものなので、ガイドラインはあくまで「参考」であるということを強調すべき」との指摘もありました。この点について北波孝・医政局地域医療計画課長は、「地域医療構想は地域の特性を活かして策定されるべきものであることは社会保障審議会医療部会においてもすでに合意されており、これからガイドラインを取りまとめていくにあたって当然留意すべき事項の一つである」と述べ、一定の地域性を認めることを踏まえたガイドラインの作成について再確認されました。

 本検討会は月に1~2回のペースで開催され、来年1月を目途としてガイドラインを取りまとめることとされています。

○第1回地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会の資料は、厚生労働省のホームページに掲載されています。
 ⇒ http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000058264.html
 

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