「新しい地域介護構想をつくるべき」 ── 武久名誉会長、医療介護総合確保促進会議で
改正医療法による「新たな地域医療構想」に関する総合確保方針の改正案などが報告された厚生労働省の会合で、日本慢性期医療協会の武久洋三名誉会長は今回の診療報酬改定と地域医療構想との関係に言及した上で「新しい地域介護構想をつくるべきだと思うが、どうお考えか」と質問した。厚労省の担当者は「問題意識にしっかり応えられるような介護保険計画にしたい」と答えた。
厚労省は3月11日、約1年ぶりとなる「医療介護総合確保促進会議」(座長=田中滋・埼玉県立大学理事長)の第22回会合を開き、当会から武久名誉会長が構成員として出席した。
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この日の会合では、地域医療介護総合確保基金の執行状況や令和6年度の交付状況等について報告があったほか、改正医療法による「新たな地域医療構想」に関する総合確保方針の改正案について説明があった。
地域医療介護総合確保基金について武久名誉会長は「各都道府県に任せないで、ある程度、日本全体としてバランスを取ってはどうか」と提案したほか、総合確保方針に関連して「新しい地域介護構想をつくるべき」との考えを示した。武久名誉会長の発言要旨は以下のとおり。
■ 地域医療介護総合確保基金の執行状況等について
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聞くところによると、これは各都道府県において申請者に対して執行されると聞いている。全国で言うと、病院が多いとか少ないとか、また、お医者さんが多いとか少ないとか、介護も含めて差が非常に大きい。 この基金総額とか、その交付額については厚労省のほうでお決めになっているのだろうと思うが、このⅠからⅥの、いわゆる対象事業について、各県で、それなりに県独自に判断していったほうがいいのか、それとも、やはり全国的なことなどを考えて、機能が少ないところを優先してやるようにコントロールするようなことも必要ではないか。
それからまた、都道府県においても、申請に対しての案内。 こういうⅠからⅥの事業について何か希望があるところは申し出てくださいという広報がまだ十分でないところがある。これらについても、やはり各都道府県に任せないで、ある程度、日本全体としてバランスを取っていかれたらどうかと思い、一言お話をさせていただいた。
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■「新たな地域医療構想」に関する総合確保方針の改正について
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地域医療構想が新しくなった。医療の場合は診療報酬改定が本年改定されるということで、診療報酬改定によって、この地域医療構想が関連付けられており、非常に密接な関係がある。
一方で、介護施設は20年前、30年前には各地域にうまく分配されて非常に良かったものが、もう今となっては過疎地になってしまった所がいっぱいある。
新しい地域医療構想だけでなく、新しい地域介護構想をつくるべきだと私は思う。これは来年の介護報酬の改定の前に、厚労省として、こういうふうな介護構想を持っているということを、ぜひお示しいただきたいと思う。これに対して担当部局の方はどうお考えだろうか。質問させていただく。
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【厚労省担当者】
老健局担当審議官である。ご質問、ご意見ありがとうございます。まさに介護の施設あるいはサービス提供も中山間地域・離島等での維持というのが非常に厳しい状況になっていると我々も重々承知しており、そういった問題意識を持っている。そうしたことも踏まえ、昨年来、介護保険部会でも制度改正の議論などを進めさせていただいている。
とりわけ在宅サービスを中心に、もちろん施設もそうだが、そういった中山間地域等で、むしろ高齢者数も減っており、また支える人材も減っているという中においてサービスが困難になっているという問題意識で様々な提案をいただいている。例えば、そうした中山間地域について基準等を緩和し、また包括報酬も可能になるような新しいサービス類型をつくるといったことなども提案されており、制度改正に向けて、今国会提出に向けて、今、調整を行っている。
一方で、こういった新しいサービス類型も含めて、今度は介護保険事業計画が令和9年度から3年間の事業計画期間になる。計画策定の中でも、こうした新しいサービスをどのような地域で設定していくか。また、今後3年間、現在の介護サービスをどのようにして維持していくかも含めて、都道府県・市町村で計画策定をこれから始めていただくことになる。こういった新しい政策手段も示しつつ、また地域でのニーズの変化の状況も踏まえて、しっかり各都道府県・市町村に介護保険計画を策定する中で検討していただく。
そういった中で当然、新しい地域医療構想の策定も並行して定められて動いていく。そういった医療介護の連携も含めて策定いただくように、まさに今、県との対話を始めているところであり、おっしゃるような問題意識にもしっかり応えられるような介護保険事業計画、事業支援計画にしていきたいと考えている。
2026年3月12日


