「第1回高齢者医薬品適正使用ガイドライン作成ワーキンググループ」出席のご報告
平成29年9月1日(金)、「第1回高齢者医薬品適正使用ガイドライン作成ワーキンググループ」が開催され、当会からは池端幸彦副会長が構成員として出席いたしました。
本ワーキンググループは、厚生労働省医薬・生活衛生局医薬安全対策課が管轄する「高齢者医薬品適正使用検討会」を親検討会とし、高齢者の薬物療法に関する安全対策を推進するための「高齢者医薬品適正使用ガイドライン(案)」を作成することと、作成に必要な情報の収集及び整理を行うことを目的として設立され、医師、薬剤師、看護師で委員が構成されています。
(第1回資料)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000176446.html
会議のはじめに事務局より本ワーキンググループの開催趣旨等についての説明が行われた後、12名のワーキンググループ構成員から、秋下雅弘構成員(一般社団法人 日本老年医学会 副理事長)が主査、永井尚美構成員(武蔵野大学薬学部 教授)が副主査となることが決定いたしました。
続いてガイドラインの在り方について、構成員のうち4名がスライドを基にプレゼンテーションを行い、当会の池端副会長からは平成29年5月に日本慢性期医療協会薬剤部(科)長を対象に行った、アンケートをまとめた内容について報告が行われました。
また当会の常任理事で、地域包括ケア病棟協会の仲井培雄会長からも院内でのポリファーマシー対策の報告がございました。
プレゼンテーションの後、意見交換が行われ、本ワーキンググループが作成するガイドライン(案)の作成について議論が行われました。
発表や意見交換を受けて、池端副会長からは「『チーム』といわれるが、医療におけるチームとはNSTのような院内の横串のチームと、介護保険における利用者も入ったケア担当者会議のような薬剤師だけでなく多職種も入った、利用者の情報・意向を踏まえた薬剤の調整を行うチームがあり、2つのチームが混同されるのではなく、クロスするようにすることが重要だと思う。
また外来・在宅の高齢者の薬を減らすのは非常に大変だが、地域包括ケア病床や療養病床に一定期間入院した際には、管理が行き届くのとデータも取れるので高齢者の減薬を施すいい機会になることがある。そういった観点から在宅と療養病床の入院を利用する視点があってもよいと思う」とご意見を述べられました。
構成員からは、それぞれの構成員が所属する病院・診療所が急性期・慢性期・在宅・外来などの立場の違いにより、患者側や医療者側で期待する作用・薬効の違いが出てくるため、包括的なガイドラインの中で、それぞれの考え方を分けて提示していく必要があるという意見や、あまりにも形而上学的なものではなく、患者に一番近いケアを行う看護・介護の視点についても言及する必要があるといった意見などが出ました。
本ワーキンググループは平成31年度末の親検討会での最終ガイドライン取りまとめに向けて、まず平成30年度内に親検討会の意見を踏まえて包括ガイドライン案を作成していく予定となっており、今後も必要に応じ随時ワーキンググループを開催することが事務局から伝えられました。
2017年9月2日