第92回社会保障審議会医療保険部会 出席のご報告

会長メッセージ 協会の活動等 審議会

医療保険部会20151202

 平成27年12月2日、「第92回社会保障審議会医療保険部会」が開催され、当会からは委員として武久洋三会長が出席いたしました。
 
 継続して行われている平成28年度診療報酬改定基本方針についての検討は、今回で医療保険部会としての意見の取りまとめとなります。今回の会議では前回までの意見を反映した骨子案が提出され、最終的な調整が行われました。
 
 前回、論点となっていた多剤処方の問題については「残薬や重複投薬、不適切な多剤投薬・長期投薬を減らすための取組」と表記が改められ、不適切な多剤処方の削減を推進する方針が明確化されました。また「不適切な長期処方の削減」の項目を基本方針に盛り込むことについては委員から疑義が出され、これについて多くの意見が述べられました。
 
武久会長20151202 武久会長はこの問題について触れ「現場からの意見として、自院での診療では、3ヶ月のスパンで患者さんに薬を飲んでいただくようにお願いしているが、3ヶ月後に薬を確認した際に、残念ながら、薬が残ってしまっていることがしばしばある。認知症の患者さんなどもおり、そういう方には3ヶ月スパンでの服用は無理だと判断し、1ヶ月に変更し、対応している。このようなケースを不適切というのかどうかはわからないが、長期処方においてこういった問題がある現状を踏まえれば、長期処方の削減を基本方針に盛り込むことについては賛成」と意見を述べられました。
 
 他の委員からも「問題なのは長期投薬そのものというよりは長期処方であり、
これまで『適切な長期処方』というものができていなかったため、かかりつけ医による適切な管理によって、長期処方の問題を改善すべきである」などの声があがりました。
 
 また、精神病棟における患者の入院時食事療養費についても議論が行われました。入院時食事療養費については、平成28年より段階的な引き上げが行われることが決定しています。これについて、精神病床に入院する患者は入院期間が長期に渡り、また低所得者であることが多い点などを踏まえ、精神病床の入院患者の入院時食事療養費は据え置きとする経過措置を設ける案が厚労省側より提出され、委員からは大筋で妥当であるとの声があがりました。経過措置をとりながら入院時食事療養費の引き上げを導入した後、効果を検討する方針です。
 

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