薬剤師の偏在、「危機的な状況」── 池端副会長、中医協総会で

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2025年9月10日の総会

 次期改定に向け、歯科・調剤の「その1」が示された厚生労働省の会合で、日本慢性期医療協会の池端幸彦副会長は「歯科衛生士が不足しないような対策が必要」との認識を示したほか、調剤の議論では病院薬剤師の不足を懸念し、「偏在は危機的な状況」と対応の必要性を訴えた。

 厚労省は9月10日、中央社会保険医療協議会(中医協、会長=小塩隆士・一橋大学経済研究所特任教授)総会の第616回会合を都内で開催し、当会から池端副会長が診療側委員として出席した。

 厚労省は同日の総会に「歯科医療その1」「調剤について(その1)」を提示。それぞれ最終ページに「論点」を挙げ、委員の意見を聴いた。池端副会長の発言要旨は以下のとおり。

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歯科について

[池端幸彦副会長]
 病院の立場から意見を述べる。55ページ(就業歯科衛生士数の年次推移)にあるように、歯科衛生士免許登録者数のうち就業者の割合がどんどん減ってきている。
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01スライド_P55

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 包括期・慢性期の入院医療においては、歯科衛生士が口腔ケア等を入院中でもタイムリーに行うことで、口腔ケアや栄養管理がかなり良くなるということがあり、このニーズはますます増えてきている。

 そういう点も含め、歯科衛生士が今後、不足することにならないように、しっかりした体制、対策が必要ではないかということを病院医療の立場でも述べておきたい。

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調剤について

 7ページ(医療機関・薬局に従事する薬剤師数の推移)は何度も出ている。何回見ても由々しき問題だと思っている。
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02スライド_P7

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 薬剤師がどんどん増えている中で、実は病院に勤務する方々が全く増えないという現状。この偏在は危機的な状況と言ってもいいのではないか。

 さらに、地域偏在に関して8ページ(偏在指標)。私は福井県出身なので福井県を見ていただくと、実は病院だけではなく薬局の偏在指数も0.8を切っている状況。福井県は薬学部がない県なので、こういうことになってしまうのだろうと思うが、かなり大きな地域偏在がある。こういう状況に対し、何ができるか。本当に考えていただかなければいけない。
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03スライド_P8

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 今、薬局は対物から対人に、そして特に病院では病棟業務がかなり高度化している。また、外来でも、例えば抗がん剤治療を外来で受けるなど、高度な薬剤を扱う機会が増えてきている。そのため、病院薬剤師の重要性はますます増している状況にある。しかし、このままいくと、調剤だけではなくて、いろいろな意味で薬剤師不足により病院の機能がかなり落ちてしまう。こうした声が病院団体からも出ている。

 ただ、診療報酬改定だけでできることは、そんなに多くないのかもしれない。医政局マター、あるいは文科省マターもあるかもしれない。しかし一方で、診療報酬でできることもいくつかあると私は思っている。今日は総論なので、あえて具体的な話はしないが、ぜひ、そういうことも含めて考えていただければと思うので、よろしくお願いしたい。

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