入退院支援、「ケアマネとの調整時間が重要」── 井川副会長、入院外来分科会で
入院・外来医療等に関する令和7年度の調査結果などを踏まえて議論した厚生労働省の会合で、日本慢性期医療協会の井川誠一郎副会長は入退院支援について意見を述べ、「介護支援等連携指導料の算定には、ケアマネとの調整に時間を要するかどうかが極めて重要な要素」と指摘した。
厚労省は8月28日、中央社会保険医療協議会(中医協)の診療報酬調査専門組織である「入院・外来医療等の調査・評価分科会」(分科会長=尾形裕也・九州大学名誉教授)の令和7年度第10回会合を開き、当会から井川副会長が委員として出席した。
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この日の議題は5項目。厚労省は同日の分科会に「令和7年度調査結果(速報)の概要」を示した上で、同調査結果などを踏まえた資料(入-2)を提示。高度急性期入院医療や入退院支援など4項目について課題を挙げ、委員の意見を聴いた。
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井川副会長はこのうち「入退院支援(その2)」について意見を述べた。井川副会長の発言要旨は以下のとおり。
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入退院支援(その2)について
[井川誠一郎副会長]
私からは3点述べる。まず1点目は50ページについて。「退院先の確保を行うために工夫している取組」というグラフがある。
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退院先の確保にそれぞれ苦労しながら、いろいろ確保しておられるわけだが、この中で、「特になし」というのが3,125施設中6.2%と、まだ200施設近く存在する。
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その次の51ページには、病棟別で見た場合が示されている。この中で、「特になし」という回答が多いのが療養病棟入院料で、20%を超える。療養病棟の中には、看取りなど、高齢者だけを取られて、退院ということはあまり考えずに取っておられるような施設もあるので、そういうのは、ある程度、あるのかなという考えは成り立つ。
同じように見てみると、「急性期一般入院料4─6」のところで「特になし」が10%を超える。これに関しては、どういうふうに考えたらいいのか。事務局としての見解があれば教えていただきたい。
続いて、53・54ページ。「介護支援等連携指導料に関する状況」を詳しく示していただいた。「課題あり」と回答した施設に対して、「課題」の内容を54ページで細かく、その内容を調べていただいた。入院料別で特徴がよく表れていると思う。
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54ページの分析では、例えば特定機能病院を見ると、「在院日数が限られるため、介護支援専門員(ケアマネジャー)との連携が難しい」という回答が80%近くある。それを考えると、在院日数が短いことが原因かとも考えられる。
ただ、53ページにあるように、20.5%、9施設の特定機能病院は「課題なし」と答えている。在院日数という点では同じであると考えると、この違いは、ケアマネそのものに連絡がつきやすいか付かないかという話になってくる。ケアマネとの調整に時間を要すれば何が起こるかというと、当然、入院中のケアプラン作成が困難になるし、それから、ケアマネとの連携が難しいということになる。
そうすると、この2つの設問というのは、実はケアマネとの調整時間そのものに従属してしまうということになる。つまり、介護支援等連携指導料の算定には、ケアマネとの調整に時間を要するかどうか、ということが極めて重要な要素として浮き上がってきていると私は考える。
これは診療報酬の議論から外れるが、ケアマネをどうするかという視点から、どうしていくかということも考えておかないと、こうした辺りが進んでいかないのではないかと考える。
また、先ほど津留委員も述べた67ページ(面会制限に伴う影響)、68ページ(面会時のルール)について。新型コロナの拡大に伴う面会の在り方について記載がある。
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67ページにあるような面会制限による患者や家族への影響というのは、われわれもよく理解しているが、一方で面会制限を全く実施しなかった場合のリスクも熟知している。新型コロナウイルスは変異し続けており、現在、話題になっている「ニンバス」のように、感染すると咽頭痛がひどくて、高齢者の方は飲み込めないとか、食事が全然とれない方がどんどん増えている。
今後、重症化することが全くないかと言われると、インフルエンザとは同じ5類でも異質でないかと思うので、ある程度の面会制限はやむを得ないと考える。先ほど津留委員もおっしゃったように、ある程度の指針などを厚労省としても考えていただいたほうがいいと私も思う。
【厚労省担当者の発言要旨】
51ページの「急性期一般入院料4─6」で、「特になし」が多い理由についての質問だったと思うが、事務局でも、なぜこうなっているのか、見解を持ちあわせていない。
2025年8月29日








