第50回通常総会を開催、 厚労省・中田課長が記念講演

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00_TOP中田勝己課長

 日本慢性期医療協会は6月24日、第50回通常総会を開催し、令和6年度事業報告・決算報告などを満場一致で承認した。総会記念講演では、「新たな地域医療構想について」と題して厚労省医政局地域医療計画課の中田勝己課長が登壇。「病院が各地域で必要な機能を発揮して、必要な機能を継続していただけるような議論が必要であり、私たちもその議論を後押しできるようデータの分析や都道府県への支援などに努めてまいりたい」と述べた。

 開会の挨拶で、橋本康子会長は「医療界はますます厳しい状況になっている。人材不足、物価高騰などマイナス面を挙げればきりがないが、不満ばかり言っていても改善しない」とした上で、「私たち協会は、医療の質を上げ、患者に選んでいただける病院・施設を目指そうと考えている。引き続き、ご理解とご支援をお願いしたい」と述べた。

01_富家隆樹常任理事(左) 続いて、事務局長を務める富家隆樹常任理事が令和6年度に実施した主な事業を報告。令和6年度同時改定について「地域完結型の医療・介護提供体制の構築を目指すことに主眼が置かれ、慢性期医療として幅広く取り組むべき内容が示された改定となった」と評価した上で、「当会では、これらの方向性を念頭に置き、令和6年度事業を進めてきた」と説明。

 今後に向け、「医療分野でも、介護分野でも、団体同士が協力して関係者への働きかけを行う機会は増えていく。調査等での負担をおかけするが、ご協力をお願いしたい」と呼び掛けた。

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地域共生社会、まちづくりなどをテーマに

02_中尾一久副会長(右) 本総会に先立って開催された第68回理事会では、新たな副会長として中尾一久常任理事を選任し、同日の総会でも承認を得た。中尾副会長は、令和8年に福岡県内で開催予定の第34回日本慢性期医療学会で学会長を務める。

 中尾副会長は同学会に向けた抱負を語り、「地域共生社会、まちづくり、健康経営などをテーマに検討している。アジア慢性期医療学会の同時開催も予定しているので、ぜひ福岡にお越しいただきたい。力不足ではあるが当協会の力になれるよう精一杯頑張っていきたい」と述べた。
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03_スライド組織図

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 当会は新たな組織体制として、「都道府県慢性期医療協会会長会議」と「青年部会」を設置。富家常任理事は「新たな視点での情報共有、意見交換ができるようにした」と説明。橋本会長は「若い先生方に何か新しい、これまでと違った視点から提案していただければいいと考えて立ち上げた」と期待を込めた。

04_成川暢彦部会長(右) 昨年10月に発足した青年部会の部会長に就任した成川暢彦理事は「現在、メンバーは15名とまだ少ないが、今年度は第1回部会を4月に開催し、今後の取り組みについて協議させていただいた。第2回部会は8月に開催予定で、日慢協の理事を務める小林清彦先生の医療・介護福祉施設の視察見学に行く予定」と伝えた。

今後に向け、成川部会長は「役員の先生方と一緒に検討して企画していくことによって新会員を広げていきたい。青年部会への活動への協力をお願いしたい」と述べた。

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潮目は変わったが、安心できる状況ではない

05_江澤和彦常任理事(左) 次期参院選に向け、日本医師会の江澤和彦常任理事が釜萢敏(かまやち さとし)先生の応援を呼び掛けた。当会役員も務めている江澤常任理事は「日本医師会の組織内候補として、副会長である釜萢敏先生が出馬される。 今回は主な介護団体からも推薦を賜っており、全老健(全国老人保健施設協会)と老施協(全国老人福祉施設協議会)から初めて医療系の候補を推薦いただいた」と紹介。政府の骨太方針にも触れながら、「医療・介護の総代表として大きな得票で国会に送り出す、出さなければいけない」と訴えた。

 江澤常任理事は「これまで社会保障費には高齢者の増加による伸びの範囲、いわゆる目安対応があったが、今回は書きぶりが変わり、その目安対応に加えて、別枠で『経済・物価動向等を踏まえた対応に相当する増加分を加算する』と明記された」と評価しながらも、「予算編成においては、これまでの歳出改革努力を通じて、社会保険料の伸びを抑えるという方針も示されている」とし、「潮目は変わったが、決して安心できる状況ではない」と危機感を表した。

 その上で、江澤常任理事は「まず参院選で釜萢候補が大きな票を勝ち取り、その次は、補正予算で補助金などの予算をしっかり勝ち取る。そして、ヤマ場は年末の予算編成過程で診療報酬の改定財源をしっかりと勝ち取る。介護職員の処遇改善加算も予算編成過程で決まるので、大変重要な局面になる」と強調。「医療・介護をまとめる総代表として、しっかりと来年度の診療報酬改定の財源を勝ち取りたいと思うので、何卒よろしくお願いしたい」と協力を求めた。

 同日の総会で司会進行を務めた池端幸彦副会長は「今、われわれ療養病床を中心とした慢性期医療が架け橋となって、介護と医療を一体的につないでいる。私たちが動くことが介護の方々を動かすことにもなると思うので、各地元に戻られたら、ぜひ介護関係者にも声を掛けていただきたい」と述べた。

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治し支える医療の観点が重要

06_中田勝己課長(右) 総会記念講演では、「新たな地域医療構想について」をテーマに、厚労省医政局地域医療計画課の中田勝己課長がこれまでの検討を踏まえた医療法等の一部改正法案の概要などを説明し、当会役員からの質問に答えた。

 新たな地域医療構想について中田課長は「医療・介護の複合ニーズを有する85歳以上の高齢者が増加する中で、医療と介護を受けながら生活して必要に応じて入院して、また日常生活に戻る。医療従事者も持続可能な働き方を確保して医療提供体制を構築していくことが必要であるという大きな方向性が示された」と説明。病床機能については、「これまでの『回復期機能』の内容に『高齢者等の急性期患者への医療提供機能』を追加し、『包括期機能』として位置づけた」とした上で、高齢者医療に関する記載を読み上げた。

 中田課長は「高齢者医療においては、あらゆる段階において、マルチモビディティ(多疾病併存状態)患者へのリハビリを含む、治し支える医療の観点が重要ということで、まさに今後、高齢者の方々、さまざまな複数疾患に対する支援機能が非常に大事になってくることをきちんと明記して、今後のガイドラインでも検討していくことになっている」と述べた。

 記念講演に続いて、橋本康子会長が「宿直に関する日本慢性期医療協会の見解」と題して、医師の宿直体制の具体的な制度設計に向けた課題を提示。当会の会員病院を対象に実施した緊急実態調査の結果などを報告した。詳しくは、こちら(宿直兼務の課題を提示 ── 第50回通常総会で橋本会長)をご覧いただきたい。

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