2012 日本慢性期医療宣言

会長メッセージ

 日本の医療・介護の提供体制は大きく変わろうとしています。超高齢社会を迎えた日本では、2025年には年間の死亡者数は現在の1.5倍の約160万人、医療・介護の対象患者は750万人となり、約10年間に実に300万人もが急増するという予測です。

 そのほとんどは、居住系施設を含めた在宅療養が受け皿になると思われますが、入院患者も増加の一途をたどり、慢性期医療が担うべき範囲は、急性期からの慢性期ICU患者の受入れ、在宅療養の支援、回復期機能、認知症患者の治療、ターミナルケアなど、医療・介護を必要とする患者の実に90%にも及ぶことになります。

 日本慢性期医療協会として、「長期急性期病床」「長期慢性期病床」の両方の重責を果たすため、1,000会員が一丸となり、「2012 日本慢性期医療宣言」を掲げ、これらの国民ニーズに応えるべく取り組んでまいります。
 

 1. 長期急性期病床として、高度急性期治療後の患者を迅速かつ適切に治療します。

 2. 回復期機能として、積極的且つ充実したリハビリテーションにより地域復帰を目指します。

 3. 癌末期や臓器不全などのターミナル期の患者に対し、何よりもQOLを優先し、周囲とのコンセンサスを得ながら治療します。

 4. 在宅療養後方病院としての機能を整備し、在宅療養患者の緊急入院治療に対応します。

 5. 身体疾患合併の認知症患者を積極的に受け入れ、早期の治療を推進します。


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