第501回中医協総会 出席のご報告

協会の活動等 審議会

2021年12月1日の中医協総会

 厚生労働省は12月1日、中央社会保険医療協議会(中医協、会長=小塩隆士・一橋大学経済研究所教授)総会の第501回会合をオンライン形式で開催し、当会から池端副会長が診療側委員として出席した。

 次期改定に向けた主なテーマは急性期入院医療について。厚労省は同日の会合に、「入院(その6)」と題する64ページの資料を提示。最終ページで、①急性期入院医療、②高度急性期入院医療、③その他──の3項目について論点を挙げた。

 このうち①では、「治療室」「救急搬送受入件数」「手術等の実績」などを挙げ、「充実した急性期入院医療を担っている医療機関に対する評価の在り方について、どのように考えるか」としている。

 ②では、「重症患者対応の評価」を挙げた。専門性の高い看護師や臨床工学技士がコロナ禍で「重要な役割を担った」と評価している。
 
 ③では、「Tele-ICU」を挙げ、死亡リスクの低下を評価。「特定集中治療室における治療の質向上への取組に係る評価の在り方について、どのように考えるか」と意見を求めたが、支払側・診療側ともに慎重な姿勢を示し、「もう少しエビデンスが整ってから検討すべき」などの意見があった。
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01スライド_P64_【総-3】入院(その6)_2021年12月1日の中医協総会

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「ポイントの振り返り」を提示

 今回示された「入院(その6)」は、これまでに出された資料が多くを占めているが、その中で特に新しいのは「ポイントの振り返り」と題するイメージ図。厚労省保険局医療課の井内努課長は、このページを詳しく説明した。

 資料「総-3」のP31と47に掲載されている。
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02スライド_P31_【総-3】入院(その6)_2021年12月1日の中医協総会

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03スライド_P47_【総-3】入院(その6)_2021年12月1日の中医協総会

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6項目の調査結果を報告

 この日の総会では、令和2年度改定の影響に関する調査結果が示された。今回の調査は、かかりつけ医機能の評価や医師の働き方改革の推進、後発品の使用促進策など6項目。総会に先立ち開かれた検証部会で了承を得て、総会に報告された。

 検証部会の永瀬伸子部会長(お茶の水女子大教授)は同部会で出された意見を紹介。「回収率や有効回答率の向上に向けてさらに取り組む必要がある。無回答、その他の回答が多かった質問項目は現場の声を拾って選択肢の見直しを検討する必要がある。NDBやDPCデータなど既存のデータの活用を検討する必要があるなどのご意見をいただいた」と伝えた。

 質疑で、安藤伸樹委員(全国健康保険協会理事長)は「今回の調査結果の中で興味を持ったところが1個所ある」と切り出し、オンライン診療に対して患者が好意的に受け止めている調査結果を紹介。「リラックスして受診でき、症状などを話しやすかったのが73.8%、様々な感染症のリスクを心配する必要がなかったとの回答が92.9%と非常に高い数字が示され、とても参考になった」と指摘した。診療側のコメントはなかった。

 この日の中医協は、午前9時半から正午過ぎまで約2時間半にわたり薬価専門部会なども開かれた。池端副会長が出席した費用対効果評価専門部会では、令和4年度の制度改革の骨子(案)が示され、支払側・診療側ともに「特に異論はない」と了承した。

                          (取材・執筆=新井裕充) 

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