第1回全国在宅医療会議出席のご報告

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第1回全国在宅医療会議出席のご報告

 平成28年7月6日、第1回全国在宅医療会議が開催され、武久洋三会長が委員として出席いたしました。議題は、下記の通りです。
 
 1.在宅医療推進のための基本的な考え方(案)について
 2.今後の会議の進め方(案)について
 3.在宅医療に関する統計調査等のデータの活用について

◇武久洋三会長の発言
武久洋三会長平成28年7月6日 資料2「在宅医療推進のための基本的な考え方(案)について」の中に、次のような文言がある。
「国民の多くは、人生の最期を自宅で迎えたいと考えていることが明らかとなっている。一方で、入院中の患者を対象とした調査では、大半が入院治療の継続を希望し、在宅医療への転換を望む患者は少ないことが分かっており、国民の視点に立った在宅医療の普及啓発を図り、国民の理解を醸成していく必要がある。」
 我が家で最期を迎えるのが一番いいのだという一方、病気になったら、医師や看護師といった医療スタッフが24時間いてくれる病院を望む。いくら在宅医療を進めるといっても、在宅対応ができる医療スタッフが潤沢にいなくては、国民は不安だろう。こうしたアンケートは、元気な時と病気になってからとでは、回答が全く違ってくる。元気な時なら、病気になったらそこまでたくさんの処置は必要ないと思っていても、いざ病気になったらとにかく何とかしてくれとなる。人間の弱いところであるが、この点に向き合わないと在宅医療は進まない。
この文言については、最期を自宅で迎えたいという多くの希望がありながらも、いざとなると大半が入院治療を求めるというギャップが、できるだけ小さくなることを目指すという意味で書いていただきたい。

 在宅医療における大きなテーマは、ターミナルをどうするかということだろう。つまり、ターミナルの定義がはっきりしていないことが問題である。例えば、脳梗塞の後遺症をもつ人で、誤嚥をして肺炎を繰り返す人はターミナルと言えるのか。肺炎なら治療をすれば治るのだから、この場合も治療は必要だろう。
 脳梗塞の治療のために、いつまでも入院する必要はないが、上記の例で言うなら、治るものであれば治すべきだろう。このような視点も含め、ターミナルのコンセンサスとなるものを、ぜひ突きつめていただきたい。

○第1回全国在宅医療会議の資料は、厚生労働省のホームページに掲載されています。
 ⇒ http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000129538.html
 

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