「平成30年を区切りに新しくなっていく」── 厚労省の宮嵜課長、第2回慢性期リハ学会で

協会の活動等 官公庁・関係団体等

宮嵜課長、慢性期リハ学会で記念講演

 厚生労働省保険局医療課の宮嵜雅則課長は3月14日、日本慢性期医療協会が横浜市内で開催した第2回慢性期リハビリテーション学会(学会長=橋本康子・千里リハビリテーション病院理事長)で「国民の幸せに寄与する医療を目指して ~わが国の医療を取り巻く現状と課題~」と題して記念講演しました。宮嵜課長は、高齢化が急速に進む中で地域の医療提供体制をより効率的なものにしていく必要性を指摘。今後の施策について、「平成30年を区切りにいろいろな取り組みが新しくなっていく」との考えを示しました。
 
木戸保秀座長 記念講演の座長は、慢性期リハビリテーション協会の木戸保秀副会長(松山リハビリテーション病院院長)が務めました。講演に先立ち木戸座長は、「地域において高齢者や障害者に対する医療、介護の提供をどうしていくか。人に対し最も近いところにあるのがリハビリテーションという医療ではないか」と問題提起しました。
 
 宮嵜課長は冒頭、「直面している課題や取り組みについてお話をさせていただく。特に医療機関の機能分化と連携の推進について、様々な政策が進んでいるので、それらを中心に話し、今後どう考えるのかという個人的な考えを少し含めながら話していく」とあいさつ。人口構造の変化や高齢化の推移についてデータを示しながら説明し、「2025年ももちろん大事だという話をしているが、もう少し長く2040年頃も見据えて今後議論していく必要がある」と述べました。
 
 そのうえで、地域格差の問題に言及し、「都道府県の中でも当然いろいろなパターンがあり、東京や県庁所在地のような所ではこれからも高齢化が進んでいく所もあるだろうし、地方都市だと高齢化が横ばいで、郡部では既に人口も減っているが高齢者人口も減る。地域により状況が違うだろう」と指摘。「何かすごいものを作っていくというよりは、しっかり地域ごとにその地域の自主性や主体性に基づいて地域の特性に応じて連携をするシステムを作っていこう」と呼び掛けました。
 
宮嵜課長、慢性期リハ学会で記念講演2 宮嵜課長はまた、厳しい財政状況に触れながら「医療の提供体制をより効率的にしていく、具体的には医療機関の機能分化と連携をより一層進めていく」との方向性を示し、病床機能報告制度や地域医療構想などについて解説。各地域の病床配分について、「平成27年度中に検討することになっているが、もしかしたら28年度に入ってくるかもしれない」とし、「28年4月に診療報酬改定をやるとしたら、直ちにどうするという話にはならないだろう」との認識を示しました。宮嵜課長は、診療報酬・介護報酬の同時改定などが予定されている平成30年を1つの節目に挙げ、「平成30年を区切りにいろいろな取り組みが新しくなっていく。そういう流れの中で何が動いているのかを引き続き見ていただきたいと思うし、そういう観点でご指摘があれば頂戴したい」と協力を求めました。
 

この記事を印刷する この記事を印刷する

« »