慢性期医療の質をどう担保する?

会員・現場の声

■ フロアからの質問・意見と回答
 

 Q1 : 今後は、CIに透析患者を評価する項目があってよいのではないか。

 A : 回復期リハに透析患者が入院できないことも問題。透析患者が脳血管障害を発症した場合の社会復帰は困難である。現在は療養病床で透析患者のリハビリを行っているのが現状。ぜひ、この点も含めた評価が望まれる(富家隆樹氏)。
 
 Q2 : 医療機能評価はあまり一般国民に知られていない。われわれが行っている慢性期医療の内容を身内だけではなくて、広く患者・国民にわかってもらうためには何をどうしたらよいか。

 A : ベースラインを中学校の社会科の教員に置くべきである。高齢化のスピードが速い分だけ、老いを迎える準備が未成熟のままである点をどのように解決していくかが難しい。自分たちが行っている技と、国民の満足度とをいかにつなげるかのツールとしての臨床指標であると考えている。患者ベースで、コミュニケーションギャップを埋めることが必要(高木安雄氏)。

 Q3 : 重症の患者が多く入院されている中で「抑制ゼロ」は驚く。何か独自の工夫は。

 A : まずトップがやらないと決めること。何かあったら自分が責任を取るという姿勢が最も重要。薬物療法の工夫も(富家隆樹氏)。

■ まとめ
 
 
 最後に矢野は、本年度から厚労省の「医療の質の評価・公表等推進事業」(協会CIの項目を中心に、患者満足度を加えた27の指標を選定)に参画することが決定したことを報告し、慢性期医療の臨床指標が評価された結果であると考えていると述べた。

 診療の質委員会は、「慢性期医療における診療の質」をいかに評価するかをテーマに、昨年の8月の第18回日本慢性期医療学会大阪大会、11月のHOSPEX JAPAN2011セミナー、本年4月の慢性期医療展2011セミナーなどで、協会CIと慢性期医療認定病院認定審査を一般に周知させる活動を積極的に行ってきた。

 今後も上記事業と「慢性期病態別診療報酬体系(試案)」調査結果のデータ収集・分析・評価・公表は診療の質委員会が担当することになり、委員長として大きな責任を痛感している。決意を新たにして望みたい。
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