慢性期医療の質をどう担保する?

会員・現場の声

■ 討論
 

 シンポジストの講演終了後、討論が行われ1人ずつ順に追加発言をお願いした。

 ○ 飯田達能氏

 臨床指標にもいろいろなものがあり、使いやすさも使い方も、それぞれの病院で異なると考えられる。どれが取り組みやすいかを考えながら、日本の慢性期医療の質を上げるという目標に向かって、皆で有効に指標を活用していくことが重要である。

 ○ 鈴木龍太氏

 日本医療機能評価を最初に受審した頃は、おそらく、言語が抽象的で評価項目が非常にわかりにくかったと考えられる。サーベイヤーとして怒りを買ったこともある。

 協会のCIは比較的わかりやすいと考えられるが、逆に数字を出すのがかなり大変で、数字が独り歩きすることもある。質の向上とともにフィードバックが可能になる。共通の言語、共通の目線で、かつ、サーベイヤーの標準化を行って行くことは必ずしも容易ではない。

 ○ 富家隆樹氏

 平成21年に日本医療機能評価を受審した時は、準備に1年を要したが、業務量が多く、サーベイヤーにいじめられて(?)、看護師が20名も退職した。苦労した割にメリットが少ない。

 その点、協会の認定審査では退職者もなく、特にアウトカム指標はわかりやすく、やりがいのある評価だと考えている。現場の皆が数字が出たときに笑えるような指標が理想である。高得点を取ったいうこともあるが、よい指標であると思う。

 ○ 高木安雄氏

 慢性期病院に、急性期病院からバトンタッチして患者が送られてくる。どのような形で慢性期病院に送ってくるかで、急性期病院の質がわかる。

 急性期病院の質を的確に評価できるのは、慢性期医療に従事する皆さんではないか。診療の質の中にぜひ、療養の視点から医療を見た時に急性期病院を評価する項目を入れてほしい。北の大地からの提言である。
 

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