第598回中医協総会・第7回合同部会  出席のご報告

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2024年11月13日の総会

 厚生労働省は11月13日、中央社会保険医療協議会(中医協、会長=小塩隆士・一橋大学経済研究所教授)総会の第598回会合を都内で開催し、当会から池端幸彦副会長が診療側委員として出席した。

 総会に先立ち、診療報酬改定結果検証部会(第71回)、薬価専門部会・費用対効果評価専門部会合同部会(第7回)が開かれ、池端副会長は合同部会にも出席した。

 最初に開かれた検証部会では、令和6・7年度の2か年にわたり実施する調査のうち、令和6年度調査の4項目について調査票案をまとめ、同日の総会で承認された。

 続く合同部会では、アルツハイマー病治療薬「ケサンラ」の薬価収載に向けた対応案をまとめ、同日の総会で了承された。
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医療DXの基盤として重要なマイナ保険証

 この日の総会では、マイナ保険証を基本とする仕組みへの移行に向け、現行の健康保険証の新規発行が停止する12月2日以降の資格確認方法について、療養担当規則等の改正案を答申した。

 改正案の審議で、診療側の長島公之委員(日本医師会常任理事)は「医療DXの基盤として大変重要なマイナ保険証の推進にしっかりと取り組んでまいりたい。国、保険者、医療機関など関係者全員が一致協力して、国民の理解を丁寧に得ながら、しっかり安心を抱いていただきながら推進する必要がある」と述べた。

 林正純委員(日本歯科医師会常務理事)は「国民にとって、さまざまな用語が出てくると混乱が予想されるので、できるだけ、わかりやすい用語と具体的提示方法の周知の徹底をお願いしたい」と要望。森昌平委員(日本薬剤師会副会長)も「国民が困らないよう、周知を含めた対応を引き続き、お願いしたい」と求めた。
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安心して医療を受けられるように

 支払側の松本真人委員(健康保険組合連合会理事)は「受診時の資格確認は診療報酬の請求、審査支払いの起点となるもので、医療保険制度の適切な運営にとって非常に重要なポイント。今後、マイナ保険証の利用が進むことで、資格誤りがなくなることを期待している」と述べた上で、オンライン資格確認が困難な場合の対応に言及。「通知やQ&Aを含め、国民へのわかりやすさを踏まえた適切な運用をお願いしたい」と述べた。

 高町晃司委員(連合「患者本位の医療を確立する連絡会」委員)は「顔認証システムでの本人確認の際に、視覚障害者が端末の枠内に顔を的確に映すことは大変難しく、またボタンを押すことも大変難しい」と指摘した上で、「12月2日以降も障害者が安心して医療を受けられるように配慮してほしい」と要望。厚労省の担当者は「しっかり肝に銘じて進めていきたい」と応じた。

 池端副会長は、電子証明書の期限切れについて質問。厚労省の担当者は期限が切れる前に通知する旨を説明した。

【池端幸彦副会長】
 資格確認書や証明書など資格情報に関するものはプッシュ式で保険者の申請によらず交付されることになっていると思うが、一方で、マイナンバーカードの電子証明書の有効期限後、「3カ月間は資格確認可」となっている。この期限が切れたことに対する通知等はプッシュ式で各保持者に何か連絡が行くのかどうか、確認させていただきたい。
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【厚労省担当者】
 期限が切れる前に、J-LISから封書でご自宅のほうに送られることになる。プッシュ式である。

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国民に向けた積極的な広報に取り組む

 答申を受け、厚労省保険局の鹿沼均局長が挨拶。「関係者の皆さまと連携しつつ、その準備に万全を期すとともに、患者の皆さまが安心して保険診療を受けられるよう、国民に向けた積極的な広報にしっかり取り組んでいきたい」と述べた。

 最後に、小塩隆士会長が「極めて短い時間であったが、答申をまとめていただいた」と謝意を示した上で、「保険医療のメリットを享受できない国民が1人もいないようにすることが私たちの使命なので、新しい制度に移って何か混乱が起こって、そのメリットを受けられない人たちがいれば直ちに制度を改めることも必要ではないかと個人的には思っている」と述べた。

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