第473回中医協総会 出席のご報告

協会の活動等 審議会

2021年1月27日の中医協総会(オンライン開催)

 厚生労働省は1月27日、中央社会保険医療協議会(中医協、会長=小塩隆士・一橋大学経済研究所教授)の第473回総会をオンライン形式で開催し、当会からは池端幸彦副会長が診療側委員として出席した。

 この日の中医協は総会のみが開かれた。事前に事務局から示された議題は、①医療機器及び臨床検査の保険適用について(審議事項)、②先進医療会議からの報告について(報告事項)、③歯科用貴金属価格の随時改定について(報告事項)──の3項目だったが、最後にコロナ対応の臨時的な取扱いについて議論があった。

 まず議題①では、区分C1の医療機器2製品2区分と、C2の2製品2区分のほか、E3の臨床検査1件を承認した。質疑で発言はなかった。

 続いて議題②は、先進医療会議で承認された先進医療Bの技術1件「抗腫瘍自己リンパ球輸注療法」について。事前評価では「条件付き適」とされていたが、先進医療技術審査部会で実施計画の変更が承認されたため「適」と認められたとの報告があった。
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再発防止策として資料の体裁を変更

 議題③では、前回1月13日の総会に報告された告示価格の一部訂正を踏まえ、新たに「Xの期間、平均値」や「Yの期間、平均値」などが示された。

 Xは、「当該機能区分の基準材料価格の前回改定以降の平均素材価格」、Yは、「当該機能区分の前回改定で用いた平均素材価格」としている。

 厚労省保険局医療課の小椋正之歯科医療管理官は「今後、可視化、見える化を図って、もうこのような訂正のないように、再発防止策の一環として明確化するために資料の体裁を変更した」と説明した。

 質疑で林正純委員(日本歯科医師会常務理事)は「今回、計算式が提示されて不透明感が払拭された」と評価した上で、「今後、実勢価格と公示価格のサヤの問題や、改定のタイムラグがより解消されるよう、分かりやすい制度にするために引き続き検討してほしい」と要望した。
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病床確保の必要性が高まっている

 全ての議題を終えたところで、支払側の幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)が挙手。「1月22日に発出されたコロナの臨時的な取扱いの事務連絡について、私どもの意見を申し上げたい」と切り出し、臨時的な取扱いの内容を説明。中医協に諮らずに事務連絡で決定したことについて厚労省の見解を求めた。

 1月22日の事務連絡は、いわゆるポストコロナ患者を受け入れた療養病床などを評価する内容。一般病床以外でも救急医療管理加算の950点を最大90日間算定できる対応などを挙げている。

 厚労省保険局医療課の井内努課長は「新型コロナ患者を受け入れる病床が一部の地域で逼迫している中で、病床を確保をする必要性がさらに高まっている」と現状を説明。「後方支援病院、回復期病床や療養病床においても950点を取れる扱いにすることが適切と考え、事務連絡で明確化した。われわれとしては中医協での決定事項、その考え方に基づいて適用を調整したという認識」と理解を求めた。
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現場の状況も迅速に加味して調整を

 これに幸野委員は「療養病床や回復期リハも一律に算定できる対応は単なる適用の拡大ではなく、新たな臨時的措置をつくったという捉え方ができる。診療報酬上の臨時的措置として大きな改定だ」などと反論した。

 その上で、一般病床と同じ点数を療養病床や回復期リハに設定したことを疑問視し、「このようなことを全く議論せずに事務連絡として発出されたのは非常に問題がある」と批判した。

 これに対し、診療側の松本吉郎委員(日本医師会常任理事)は「そもそも中医協で全ての細かな運用まで議論することは不可能」とし、「中医協で定めた方針を踏まえて、現場の状況も迅速に加味しながら事務局において調整していただく必要がある」との考えを示した。

 松本委員は「今後も迅速に行うという方針で進めていただきたい。診療側として大変評価している」と厚労省の対応を支持した。

                          (取材・執筆=新井裕充) 

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