2020年1月24日(金)第175回介護給付費分科会の報告

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2020年1月24日(金)第175回介護給付費分科会の報告

 令和2年1月24日(金)、厚生労働省の「第175回介護給付費分科会」が開催されました。当会からは武久洋三会長が委員として出席しました。

 議題は下記の通りです。

(1)居宅介護支援事業所の管理者要件に係る諮問について
(2)平成30 年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査
   (令和2年度調査)の実施内容及び進め方について
(3)その他

 武久会長から以下の意見を述べられました。

【武久洋三会長の発言】
居宅介護支援事業所の管理者要件に係る諮問について
 今回の令和9年までの経過措置の延長については適切な時期に適切な措置をとっていただいたことに感謝します。かつて老人保健施設ができたときに、PTかOTが必ず1人在籍していなければならないことになり、当時は理学療法士が少なかったことから需給バランスが崩れ、理学療法士の給料が高騰した地域がありました。現行のままであれば、同様の事態となる地域も出てくるおそれもありますが、今回の経過措置延長は、地方の零細な居宅介護支援事業所に対してやさしい措置となっていると思います。また、主任ケアマネの能力は多少玉石混交のところもありますが、経過措置の期間でより均一化され、適切な居宅介護支援事業所の管理者として育っていくものと思います。私たちとしては今回の措置を支持したいと思います。
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平成30年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(令和2年度調査)の実施内容及び進め方について
 医療と介護の両方の立場のものとしての意見を述べさせていただきます。介護保険における要介護者になるということは、日常生活において自然発生的に要介護状態になるということもありますが、病気になり医療を受ける過程で要介護状態になるということが多いように見受けられます。このような要介護者が発生する原因についての調査も必要ではないかと考えています。高齢者が増えるのだから自然発生的に要介護者が増えていくという単純なスタンスではなく、治療の過程で要介護者になるということもあるという視点をもって調査を行っていただきたいと思います。
 また、2つの保険の狭間で仕事をしていると不思議に思うのですが、医療保険では病気がよくなってみな喜ぶのですが、なぜか介護保険では要介護度が軽くなるとあまり喜ばれません。
 介護保険の目標は要介護者を減らすことであるというところをもう少しはっきりさせていただきたい。したがって、要介護度が軽くなった時に事業所側が利益を受けないという現状についてもお考えいただきたいと思います。
 医療の現場では、入院患者の7~8割は高齢者で、介護も提供しながら医療を提供しなければならないという複雑な状況になっています。医療保険と介護保険を行ったり来たりする患者さんがいるということを加味しながら調査を行っていただきたい。また、制度についても要介護度が軽くなったら事業所を評価するということもぜひ検討いただきたいと思います。

 (第175回介護給付費分科会 資料)
 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_09072.html 
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