医療と介護の同時改定にどう対処すべきか

官公庁・関係団体等

医療と介護の同時改定にどう対処

療養病床が長期急性期機能を持った
ポストアキュートを担う (武久洋三・日慢協会長)

 

 3月11日の震災に対して50トン余りのお見舞い物資を送っていただき、また1週間以内に3,000万円もの義援金をいただいた。それらは、被災病院を通じて地域の皆様にお配りした。最大では、全壊病院に300万円をお送りすることができた。重ねてお礼を申し上げたい。

 日本慢性期医療協会は決して圧力団体ではない。国民のためになる医療を誠実にやっている病院に対して、きちんと評価してほしいのである。

 今後、どんどん患者さんが増えるので、平均在院日数を3分の1にすることは急性期病院のことだけでなく、慢性期病院でも同じである。また今後は、在宅療養支援病院の存在が重要で、これは地域の中で初期急性期機能がないと対応できない。療養病床の中にはこういう機能をきちんと持っている病院があり、日本慢性期医療協会の在宅療養支援病院部会でのテーマとしている。

 2025年の医療・介護サービスの改革シナリオを見ると、高度急性期病院は20万床程度で、平均在院日数が15~16日。一般急性期病院が45万床前後で、平均在院日数が9日である。そうすると、現在は6万床ほどしかないので、急性期病床を10数年の間に整備するのは非常に大変だと思う。

 回復期リハは高度急性期から回復させる過程で、リハビリは非常に必要になってくるが、残念ながら全員が回復するということではない。気管切開したり中心静脈栄養や人工呼吸器が入った重度な患者さんの長期療養を一体どこが担うのかという問題がある。

 当然、一般急性期病院で9日で診るといっても無理があるので、結果的には療養病床が長期急性期機能を持ったポストアキュートとして実質的にみていくことになる。

 ぜひ皆さん方には、「良質な慢性期医療がなければ日本の医療は成り立たない」という気概と、現場でどんな患者さんが来ても対応できるという覚悟を持ってやっていただきたい。

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