新年のご挨拶⑤ 松谷之義・副会長
明けましておめでとうございます。今年こそ良い年になるようにとの思いを込めて新年をお迎えになったことと思います。
昨年は改めて天災の脅威を知らしめられた1年でした。一方、復興の力強さを見聞きし、人間の力のすごさも感じさせられました。
また、昨年の11月に行われた大阪府知事、大阪市長ダブル選挙においては、大阪都構想を掲げる維新の会が圧勝し、松井大阪府知事、橋下大阪市長体制が構築されました。大阪の行政も大きく変わっていくようで、私たち医療関係者にとっても多大な影響があると考えられます。
続けてこの3月には医療保険、介護保険の報酬同時改定が行われ、本年は大きな改革の年になるでしょう。今回の同時改定においては、これからの日本の高齢者施策の方向が示され、それに基づく報酬改定になっていくと思われます。
今回の報酬改定では、「在宅へ」という国の方針が強く打ち出され、それに向かっていろいろな法改定や制度の整備が行われることになります。在宅の療養患者さんを医療と介護の連携によってサポートする仕組みを地域で作っていく「地域包括ケアシステム」も本格稼働させていかなければなりません。
高齢者人口がどんどん増えていく今後は、在宅での療養患者に対する医療として、急性期医療はもとより、慢性期医療の比重が増してくるでしょう。現に昨今、私たち慢性期医療の現場での守備範囲も、病状安定している患者さんから、そこそこの急性期にある患者さんまでとかなり広がってきています。
慢性期医療協会も療養病床協会から名前を変えて早3年、「療養病棟」という病棟の呼称も「慢性期病棟」へと変わって行こうとしている今、これからの医療・介護を担っていくために私たちは力を結集していかなければなりません。
当会では病院だけでなく、診療所や慢性期医療に関わるすべての医療機関、介護老人保健施設などにも入会のお声かけをし、共に質の高い慢性期医療を行っていこうと考えています。みなさん、一緒に慢性期医療について考えてみませんか。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
【プロフィール】
昭和16年生まれ
昭和45年3月31日 京都大学医学部医学科専門課程卒業
昭和53年4月 1日 国家公務員共済組合連合会 長尾病院胸部外科診療部長
医療法人松徳会 理事長
日本病院会 理事
大阪府病院協会 常任理事
大阪府私立病院協同組合 理事長
2012年1月5日