「第61回社会保障審議会介護保険部会」 出席のご報告

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「第61回社会保障審議会介護保険部会」 出席のご報告

 平成28年8月19日、「第61回社会保障審議会介護保険部会」が開催され、武久洋三会長が委員として出席いたしました。議題は、下記の通りです。
 
 1.利用者負担
 2.費用負担(総報酬割・調整交付金等)
 3.その他
 

◇武久洋三会長の発言
 介護保険制度を持続可能な制度としていくためには、多くの苦労を必要とする。他の委員の発言にもあったように、所得が多い人に対して自己負担を上げ、医療保険の自己負担割合とパラレルにしていくというのは、賛成である。そして高額な費用については、医療と介護のトータルの負担金に対しての支給限度額ということで考えていかねば、いずれ制度が立ち行かなくなるところまで来ている。医療保険と介護保険、限度額を超えて利用する人が増えれば、今後大変なことになっていく。
 ケアマネジメントに利用者負担導入を検討するという話についてである。ケアマネジャーは公正中立であることが基本とされているが、この公正中立を阻害する要因が二つあると考える。
 一つはケアマネジャーの独立性についてである。雇用主がいるとどうしても、関連事業所で提供するサービスを優先的に入れるようプレッシャーがかかってくる。そのサービスが良ければ問題はないのだが、ケアマネジャーが納得いかないサービス提供であれば、公正中立とは言えないだろう。
 もう一つは、ケアマネジャーの立てるケアプランが、どれだけ利用者にあった形で実践されているかという点である。ケアマネジャーは利用者の状況を考慮し、医療系サービス等の様々なプランを盛りこんでケアプランを作成する。だが利用者の家族が見て、これでは費用がかかるからヘルパーの生活支援サービスだけのプランに作り変えてほしいといった要望が出てくることがある。そこでケアマネジャーが、自分の立てたプランの方が利用者に合っているなどと主張すれば、家族の希望通りにしてくれないケアマネジャーは不要ということで利用者家族から切り捨てられてしまう。今後、ケアマネジャーのケアプラン作成に費用が発生してくるとなれば、こうした傾向はますます強くなるだろう。
 介護保険は利用者の家族のためにあるのではなく、サービスを必要とする利用者のためにある。この点を再認識し、ケアマネジメントがケアマネジャーの意図したサービス提供に結びついていないという現実への対応が求められている。

○第61回社会保障審議会介護保険部会の資料は、厚生労働省のホームページに掲載されています。
 ⇒ http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000133952.html
 

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