スマホ搭載で「利用率が大幅に上がる」 ── マイナ保険証の利用促進策で池端副会長

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20240515_医療保険部会

 マイナ保険証の利用促進策について話し合った厚生労働省の会合で、日本慢性期医療協会の池端幸彦副会長は「スマホを持っていない患者さんは少ないので、スマホに入っていれば利用率が大幅に上がるだろう」と述べ、マイナ保険証のスマホ搭載に期待を寄せた。

 厚労省は5月15日、社会保障審議会(社保審)医療保険部会(部会長=田辺国昭・国立社会保障・人口問題研究所所長)の第178回会合を開催し、当会から池端副会長が委員として出席した。

 厚労省は同日の部会に「マイナ保険証の利用促進等について」と題する資料を提示。その中で、マイナ保険証を安心して使える環境整備が進んでいる状況や、動画による広報活動の取り組みなどを紹介した。
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地域全体の取り組みを盛り立てていく

 厚労省はまた、「集中取組月間」である5月から7月にかけて、取り組みが進んでいる地域の関係団体や保険者を表彰する方針も報告。4月の利用率に基づく表彰対象として、医科診療所(都道府県医師会)では福井県が2位に選ばれた。
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【資料1】マイナ保険証の利用促進等について_ページ_12

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 厚労省保険局医療介護連携政策課の竹内尚也課長は、「マイナ保険証の利用率向上は地域の医療機関・薬局の取り組みによるところが大きいことから、地域全体での今後の取り組みを盛り立てていく」と説明した。

 質疑で池端副会長は、今回の表彰に謝意を示した上で「各会員の施設に丁寧に説明しながら、さらなる利用促進を図る。日本医師会とも力を合わせて頑張っていきたい」と語った。

【池端幸彦副会長の発言要旨】
 私は本部会に日本慢性期医療協会として参加させていただいているが、同時に福井県医師会の会長も拝命している。4月の利用率で表彰をいただいたことに感謝を申し上げる。とはいえ、まだ二桁に達してないため、自慢できる状況ではない。
 先ほど、マイナンバーカードを携行していない人が多いという指摘があった。当初、マイナンバーカードは金庫にしまうものだというイメージがあった。私も市役所で登録したときに、「大事なものなので大切にしてください」と言われ、自宅に保管しておかなければいけないと思った。マイナ保険証はそういうものではないのだが、当初のイメージが依然として変わらないのだろう。
 しかし、前々回の当部会の資料を見ると、マイナンバーカードを携行している人も半分近くいる。意外に多いと思った。医療機関等の窓口で声を掛ければ半分近くの人には利用していただけると思うので、医師会としても進めていきたい。
 私どもは外来で、患者さんに「発熱はありますか」と尋ねるときに、同時に「マイナンバーカードを持っていますか」と質問するようにしている。そこで「持っている」と答えれば、「ぜひ利用しましょう」と勧めて利用を促進している。
 診療報酬改定は6月から施行される。医療情報取得加算等については9月末までの経過措置があるものの、一定程度の利用率がないと同加算が取れなくなってしまう。医師会としても各会員の施設に丁寧に説明しながら利用促進を図っていこうと思う。日本医師会とも力を合わせて頑張っていきたい。
 ところで、福井県にようやく新幹線が開通した。本日、私は朝一番の「かがやき」に乗って、3時間で東京に着いた。その際、スマホのモバイルSuicaでチケットを取った。初めて利用したのでドキドキしたが、全てスマホで完結した。スマホにマイナ保険証が入っていればいいと思った。スマホはほとんどの方々が持っている。スマホを持っていない患者さんは少ないと思うので、スマホに入っていれば利用率が大幅に上がるだろう。検討中であると聞いているが、ぜひ前向きに進めていただきたい。

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