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「P4Pの前段としてP4Rが必要」 武藤教授

Posted By 日本慢性期医療協会 On 2012年3月9日 @ 6:07 PM In 協会の活動等 | No Comments

 国際医療福祉大大学院の武藤正樹教授は3月8日、日本慢性期医療協会の役員勉強会で「慢性期医療の質評価~医療の質に基づく支払い(P4P)~」と題して講演、「P4Pの前段として質レポートを報告することにインセンティブを与えるP4Rが必要ではないか」と述べました。

 武藤教授はまず、医療におけるPay for Performance(P4P)の国際潮流として米国、英国、韓国などの事例を紹介。P4Pが高品質のヘルスケアサービスに対するボーナスとしてだけでなく、医療の質の全体的な底上げに寄与していることなどを説明し、下位グループの医療機関などに対して「改善を促すのがP4Pのポイントである」と指摘しました。

 その上で、我が国のP4Pについて「DPCデータを使えば日本でも応用可能性がある」と述べたほか、すでに導入されている「日本版P4P」の例として、回復期リハビリテーション病棟への質評価導入や、介護サービスにおけるP4P(在宅復帰支援可能加算、事業所評価加算)などを挙げました。

 質の評価システムを日本に導入する上での留意点にも言及し、「P4Pの前段として、まず質レポートを報告することにインセンティブを与えるP4R(Pay for Reporting)が必要ではないか」と提言しました。

 「慢性期医療の質評価」については、日本慢性期医療協会の「2010年度診療報酬改定に係る要望書」で、在宅復帰率や医療区分の改善率に基づく評価を求めたことなどを紹介したほか、厚生労働省の「平成22年度医療の質の評価・公表等推進事業」での取組みなどを示しました。

 武藤教授は最後に、「21世紀は医療の質評価と説明責任の時代」と述べ、医療の質を表す臨床指標に注目することや、病院のマネジメントに臨床指標を活用する必要性などを指摘しました。

 なお、武藤教授の過去の講演資料等は「武藤正樹のWebサイト」にアップされています。(文責・新井裕充)
 
3月8日の日慢協勉強会
 
 



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